2025年も生成AIブームは続くだろう。生成AI「ChatGPT」で業界をリードする米オープンAIに巨額投資して提携する米マイクロソフトは、AI業界で最注目プレーヤーの一つだ。特集『総予測2025』の本稿では、マイクロソフトで生成AIのビジネス・産業向けサービスの開発チームを率いるチャールズ・ラマナ・コーポレートバイスプレジデントに、25年のAIの注目トレンドやトピックス、同社の戦略を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)
高度な専門家のように自律的にタスクを実行
「AIエージェント」が25年の最注目
――2025年のAI(人工知能)の注目トレンドは?
人間の業務を支援する「AIエージェント」が間違いなくナンバーワンの注目です。特に、自律的に人間の介入なしにバックグラウンドで動作し、まるで高度な専門家のようにタスクを実行してくれるエージェントの作成です。
米マイクロソフトの生成AI「Copilot」は、フォーチュン500企業の約70%に採用され、当社が開発した製品で最も急成長しているサービスです。
Copilotは汎用的なパーソナルアシスタントのような存在。一方、エージェントは生成AIをビジネスプロセスに適用することに重点を置いています。会議の翻訳支援や注文の受け付け、調達、デューデリジェンス、詐欺対策など全てのプロセスでエージェントが作成できるとみています。
そしてCopilotは、最適なエージェントを見つけ出して仕事の遂行をサポートする、AIのUI(ユーザーインターフェース)になるという世界観を考えています。当社の従業員は約20万人で、全員にCopilotが付くとその数は20万人ですが、エージェントは数百万人と、従業員よりもはるかに多くなります。
AIエージェントが25年の一大トレンドになると予測したラマナ氏。次ページでは、生成AI競争の最前線の風景や、25年に起きるであろう変革とマイクロソフトの戦略についてラマナ氏に語ってもらった。