――「モンスト」は、かなり早い時期から海外市場にも展開しています。今後はインド市場に注力するとのことですが、狙いは何でしょうか。
木村 グローバル展開を急ぐのは、国内のモバイルゲーム市場はすでに飽和状態であり、今後も人口減少で縮小することが明らかであるからです。
現在、国内でどんなに稼いでいても、この先、ゲーム人口はどんどん減っていくのですから、現実を直視した戦略を取らなければなりません。
インドは人口が14億人と世界最大で、モバイルゲームのダウンロード数も世界一。しかも友人とゲームを楽しむ文化を持っているので、仲間と一緒に遊べる「モンスト」との親和性が高いと判断しました。

ただし、日本国内で展開している「モンスト」を、そのまま持っていっても受け入れられません。家庭用ゲーム機やパソコンがあまり普及していないインドの場合、日本ではポピュラーなRPG(ロールプレーイングゲーム)に慣れ親しんでいる利用者が少ないからです。
そこで、「モンスト2」と呼んでもいいほど、もっとシンプルで操作しやすいアプリゲームを、インドをはじめとする海外市場向けにゼロから開発しています。
実は、かつて米国や中国、韓国市場向けに、日本の「モンスト」をそのまま現地語版にしてリリースしたものの、受け入れられなかった苦い経験があります。その反省を踏まえ、現地の文化になじみやすいゲームを提供することで、グローバル市場を開拓していきたいと考えています。
「脱モンスト依存」目指し グローバル戦略を展開
――デジタルエンターテインメント以外の事業セグメントでも、グローバル戦略を拡大する計画を掲げています。これはどんな狙いからでしょうか。
木村 「モンスト一本足打法」の事業構造から脱却するためです。先ほども述べたように、当社の売上高構成は、約7割を「モンスト」を中心とするデジタルエンターテインメントセグメントが占めています。特定事業への過度な依存は経営リスクにつながります。
そこで、中期的にはデジタルエンターテインメント、スポーツ、ライフスタイルで約3分の1ずつにすることを目指し、徐々に事業投資のリバランスを図ってきました。そのかいあって、スポーツセグメントの売上高比率は、20年3月期の5%から、24年3月期には23%まで拡大しています。
今後も「脱モンスト依存」を目指し、スポーツ、ライフスタイルの二つの事業セグメントを積極的に育て上げていきます。