――ライフスタイルセグメントでは、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」が海外市場で好調のようですね。

木村 家族同士のコミュニケーションが濃密な北米や欧州の市場で、特に利用者が増えています。日本と同じように少子化が進み、1人の子どもや孫にお金と愛情を注ぐ人が多い先進国ほど、受け入れられやすいサービスのようです。

SNSの先駆者「モンスト」で急成長。MIXIが今こそスポーツと海外を強化する理由国内外含め累計利用者数が2500万人を突破した「家族アルバム みてね」

 すでに全世界で2500万人のユーザーを抱え、そのうち約4割が海外ユーザーです。今後、経済や文化が成熟した国がさらに増えれば、市場がますます広がっていくのではないかと期待しています。ユーザー数の拡大に加え、マネタイズを強化し、収益化を推進していきます。

コミュニケーションは「人生必需品」

――改めて、MIXIの今後の成長戦略をお聞かせください。

木村 繰り返しになりますが、当面は、インドでの「モンスト」、オーストラリアでのベッティング事業、北米および欧州での「みてね」の3本柱を中心として、グローバル戦略を積極的に推進していきます。それぞれの事業が成功すれば、全体として成長しつつ、事業ポートフォリオのバランスも最適化するものと確信しています。

SNSの先駆者「モンスト」で急成長。MIXIが今こそスポーツと海外を強化する理由木村社長は「これからもMIXIは『コミュニケーションの深化』にこだわり続けます」と語る

 長期的には、AIの活用によって業務の生産性を高め、提供するサービスのイノベーションにも取り組んでいきたい。例えば、SNS上での言い争い発生をAIが事前に忠告して予防したり、仲介して仲直りさせるようなMIXIらしいサービスが提供できればと思っています。

――最後に、読者へのメッセージをお願いします。

木村 コミュニケーションは生活必需品ではないけれど、「人生必需品」と呼べるほど大切なものです。その質を上げることは社会貢献につながると確信しています。GAFAMの一つにSNSの会社があるのは、人と人とのコミュニケーションを支えるプレーヤーが、それだけ経済的インパクトの大きな企業になれるという証拠。われわれも、それぐらい大きな存在になることを目指していきます。

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