また医療用医薬品の分野では、69年に「ブレオマイシン」を上市して以来、がん治療の取り組みに特化し、がん関連製品の豊富なラインアップや情報の集積に強みを持つ。
社会への貢献として、小児がんをはじめとする難病の治療を受けている子どもの家族のための滞在施設「あすなろの家」(埼玉県さいたま市)も運営。98年の開設以来、延べ4300組を超える家族が利用するなど、地道な活動にも力を入れている。
斬新な発想でチャレンジ
できる人材を求める
日本化薬では毎年40人前後の大卒者を新卒採用している。以前は理系が多かったが最近では文系の採用にも力を入れており、そのうち3割以上を女性が占めている。群馬県高崎市にある研修センターで新人の集合研修を行い、その後は必修プログラムや自主選択プログラム、次世代経営者育成プログラムなどを整えている。
小学生を対象とした体験型イベントに出展。化学の魅力を次世代に伝える社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる
社員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備にも力を入れ、育児休業をはじめ、育児短時間勤務や在宅勤務などを拡充。また女性活躍推進にも積極的に取り組み、25年度末までに女性管理職比率10%(現在は8.3%)を目指している。
今、同社が求めているのは、「斬新な発想を持ちチャレンジできる人材」だという。
「当社には、丁寧に準備を整えてから製品を世に出すという社風があり、それが品質と信頼の源泉になっています。一方でグローバル市場ではスピードが求められています。機会損失を生み出さないためにも、品質重視を維持しながら、結果をより早く出せる体制へとねじを巻いていきたい。そのためにも、失敗を恐れず一歩踏み出すことが大切。今後はチャレンジを後押しする仕組み作りを進めていきたい」と川村社長は意気込む。
役員の前で、経験から得た学びや今後やりたいことを発表する研修。入社後5年目まで定期的に研修を受講し、同期の絆を深めお互い切磋琢磨して成長していく