医療現場を取り巻く
課題解決こそ担うべき役割

 アルフレッサは売上高約2.4兆円に上る医薬品商社大手。約300社の製薬会社を含む医療関連メーカー約1000社が扱う医薬品や医療機器など約35万点のアイテムを、全国規模のネットワークを通じて医療機関に届けている。

 福神社長は「市場の成長に上積みする形で業績は伸びています。好調の要因は、営業職を中心に優秀な人材を多く採用できているからです。人の力を最大限活用する事業運営を心掛けています」と自信を見せる。

 ただし、医薬品商社=足を使い薬を売るという時代ではなく、アルフレッサが重視するのは、テクノロジーなどを活用した医療・医薬品業界の課題解決だ。24年4月には「ソリューション&イノベーション(S&I)事業部」を設立し、現場の効率化や質の向上に寄与する医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援している。医師や製薬会社などとアルフレッサの営業職が利用できるチャットツールの開発・提供はその一つで、業務の効率化や過疎地域への情報提供に役立っている。

 社内の業務効率化にも積極的に取り組み、全従業員が自社用にカスタマイズされた生成AIを活用。タスク管理や情報収集などに役立てている。

医療の総合商社+テクノロジーで、地域医療が抱える課題を解決

「AIによる医療経営のソリューション開発も、社内やスタートアップ企業と連携し始めました。医療経営と医薬品は密接につながっており、経営に貢献することで医療機関の信頼を獲得し医薬品の売り上げも自然に増えます。良い相乗効果を生むべく注力したい事業領域です」(福神社長)