「私たちの主なお客さまは病院や福祉施設ですから、ビジネスの根幹に、不調を抱える方やサポートを必要としている方の手助けをしたいという思いがあります。患者さまや入居者の方々はもちろん、そばで支えるご家族、そして医療・福祉従事者の方々にも、できる限りの安心と心地良さを提供したいと考えています」と村田清和社長は話す。
1年に及ぶ新人研修で
豊かな「心」を育む
安心を届けるためにも、人にしっかり向き合っていく──。そんな姿勢を育む上で重要な役割を果たすのが社是である「心」だ。
「感謝の気持ち」と「謙虚な姿勢」が、社是「心」を支える基本方針。全社員がこの言葉を記したカードを常時携帯しているという
拡大画像表示
「具体的に言えば、『感謝の気持ち』と『謙虚な姿勢』。この二つを兼ね備えた人財がワタキューの事業基盤です。お客さまにはもちろん、社内でも思いやりの心を忘れず、互いに協力し合ってほしい。しんどいとき、つらいときは自然と声を掛け合うような関係であってほしいと思っています」と村田社長は語る。
ワタキューセイモアを中核とするワタキューグループでは、医療・福祉施設向けの給食サービスや、医療の専門人材を紹介・派遣するサービスも手掛けており、グループを横断する理念として社是を掲げている。そのために同社では、長期目線の人財育成が徹底されている。2011年に本部ビル内に研修センター「一心館」を開設。以来、他社に例を見ない1年間にも及ぶ新人研修を毎年行っているのだ。
研修センター「一心館」での研修風景。実際の業務を題材にした「組織研修」では、チーム別の議論とプレゼンテーションが白熱する
「最初の1年を研修だけに費やすと言うと驚かれますし、早く実務の場に出たいと思う新入社員も少なくないようです。ですが、長い職業人生の中で1年というのはわずかですし、それだけの時間をかける価値があります」と村田社長。