人と環境に優しい
次世代物流インフラを構築

 しかし、これからの物流には解決すべきテーマも多い。多頻度小口配送によるコスト増、環境負荷の増大、差し迫ったドライバー不足など、複数の課題が複雑に絡み合っているのだ。

「暮らしやビジネスを支えるサプライチェーンを長く維持していくために、経済効率、環境負荷の低減、そして人の働きやすさの全てを諦めないトータルなソリューションが求められています」と大越社長。

 そこで今、同社が力を入れているのが、次世代の輸送インフラとなるオープンな物流ネットワークの構築だ。

チェンジ&チャレンジの精神で未来を動かす、総合物流ソリューション企業トラック中継輸送のための大型施設「TSUNAGU STATION」。ドライバーの乗り替わりや荷役、休憩などに、物流事業者がオープンに利用できる

 長距離輸送の中継基地として「TSUNAGU STATION」の設置を進めているのは、その一環だ。

 陸上輸送力強化策としては、大型トラック2台分のトレーラーを連結し、1人のドライバーが2倍の貨物を運べる「ダブル連結トラック」を導入。すでに32編成が稼働しており、30年までに100編成以上の導入と、480人の専門ドライバーの育成を目指すという。

チェンジ&チャレンジの精神で未来を動かす、総合物流ソリューション企業10t車2台分の輸送力を持つダブル連結トラック。トレーラーを分離でき、後方のトレーラーに別のけん引車(ヘッド)を接続すれば、おのおのの目的地まで貨物の輸送が可能だ

 トラックだけでなく鉄道や船、飛行機など多彩な輸送モードを組み合わせたマルチモーダル輸送も推進しており、予約システムや配送マッチングサービスなどのデジタル基盤の整備も進む。

「既存の常識にとらわれない自由な発想で物流を最適化する方法を生み出し、日本の物流全体をアップデートしていきたいと考えています」(大越社長)