施工や品質の維持管理、
向上が欠かせない

 全量買取や優遇税制によって規模を拡大している太陽光発電だが、普及と共に、解決すべき課題も見えてきた。

 太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器には長期間の補償も付き、設計寿命も長いのだが、各機器の連携やパネルを屋根材に取り付ける際の設置・工事方法、送配電網などに問題があり、トラブルが生じることがある。

 関連機器単体の問題というより、施工やメンテナンスでの設計や作業が重要で、その点をないがしろにしてはいけない。

 これまで、国内の各パネルメーカーは、独自に「施工ID」という研修・認証のシステムを設け、太陽光発電システムの安全かつ安心な設置を後押しする取り組みを行ってきた。ユーザーがA社のシステムを設置したいと考えた場合、A社の施工IDを取得した企業や個人に工事を依頼することで一定の安心が得られるという仕組みだ。

 とはいえ、太陽光発電の普及に伴い、国内でもパネルの新規製造に乗り出す企業があり、海外メーカーの製品も入ってくるようになった。さまざまなパネルや周辺機器が入り乱れて用いられているのが現状だ。

 そのため、設置や設計・メンテナンスの広範な知識、経験を持ち、どのようなメーカーの製品でも取り扱いができる技術者が以前にも増して求められるようになった。

 12年11月、JPEAは、「PV施工技術者認定制度」を創設することを発表。これは、従来、各メーカーが独自に行ってきた施工IDの基礎的な部分を取り込みつつ、業界全体の、施工における品質の向上と確保を目的とした制度だ。

 制度認定を希望する者はまず研修を受け、その後、認定試験に合格することで、PV施工技術者として認められる。

 このような技術者の育成・認定制度の充実で、太陽光発電は、今後さらに、「創エネの主役」として地歩を強固なものにしていくに違いない。