株式投資を始めようと決意したものの、ネットの噂や「常識」に惑わされて踏み出せずにいませんか? 著書『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』をベースに、証券口座を開設した主人公の迷いから「自己責任」とリスクの本質を解き明かします。ハイリスクとされる手法の裏にある真実と、恐怖を乗り越えて第一歩を踏み出すための覚悟とは。投資家として市場で生き残るために必要な、主体的な決断の秘訣をお届けします。

証券口座を開く前に知っておくべきこと・ナンバー1Photo: Adobe Stock

「世間の常識」と「成功者の教え」の狭間で迷ったら

株式投資を始めようと決意したとき、多くの投資家が最初に突き当たるのが「情報過多による迷い」です。

本気で学び始めようと意気込む一方で、ネットに溢れるネガティブな情報や一般的な「リスクの定義」に翻弄され、踏み出す足がすくんでしまう経験は誰にでもあるのではないでしょうか。

「相手を見る」姿勢は、投資の銘柄分析にも通じる

ある営業マンが、顧客との深い対話を経て自身の仕事の原点に立ち返り、新たな一歩として投資の世界へ足を踏み入れようとする場面から考えてみましょう。

「店員さん」じゃなく、「伊藤さん」――そう呼ばれたのは、いつ以来だろう。たしかに、いま僕は“その人”を見ていた。相手の不安に触れて、その奥にある想いを引き出して、つないでいく。それが僕のやるべき仕事だ。きっと、この方向で間違っていない。……そうですよね、シゲルさん。
――『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』より

目の前の顧客の不安に耳を傾け、本質を見極めようとする姿勢は、実は株式投資における「銘柄分析」と全く同じです。

株価の数字だけを追うのではなく、その企業の背景にある事業内容や将来性、抱えているリスク(不安要素)に真摯に向き合うことこそが、投資家としての本質的な力を養います。

「ネットの噂」に惑わされず、手法の背景を理解する

しかし、いざ独学で勉強を始めると、世間一般の「常識」と成功者の手法とのギャップに戸惑うことになります。

その日から、家に帰ると株についての勉強に打ち込むようになった。「デイトレは危ない」「信用取引は危険」─ネットで検索すると、そんな言葉がずらりと並んで出てくる。……あれ? シゲルさんってたしか、「信用取引」を使ってたような……。あの人のやり方って、危ういんだろうか。
――『89歳,現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』より

「デイトレ」や「信用取引」は確かにハイリスクとされますが、道具そのものが悪なのではなく、「徹底した資金管理とルールなしに使うこと」が危険なのです。

成功している投資家がなぜその手法を扱えるのか、その裏にある資金管理やリスクヘッジのノウハウまで深く理解することが重要です。表面的な情報や単なる噂に振り回されることなく、論理的にリスクを解き明かす姿勢が求められます。

不安や迷いを抱えたまま、どう「第一歩」を踏み出すか?

そして、証券口座が開設された通知を受け取った瞬間、誰もが期待と同時に強いプレッシャーを感じます。

そう思いながらも、ある平日の朝、勤務が休みだった僕のスマホに、証券会社から1通のメールが届いた。《口座の開設が完了しました》それを見た瞬間、ふと、実咲の顔が頭をよぎる。……けれど、迷いを押し込め、スマホを握りしめた。
――『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』より

大切な家族や自身の将来を背負っているからこそ、リスクを取る瞬間には迷いや恐れが生じます。大切なのは、その「迷い」を完全に消し去ることではなく、リスクを自覚したうえで「許容できる範囲(少額投資や厳格な損切りルールの設定)」から着実にスタートすることです。

常識を鵜呑みにせず、自分のリスク許容度を見極めたうえで主主体的に決断を下す。この「覚悟」と「準備」が、個人投資家として相場の世界で生き残り続けるための第一歩となるのです。