「荷物がたくさん積める車を…」――妊婦の夫婦を迎えた接客シーンに隠された、投資の本質とは? 株で負ける人は「自分がどう思うか」という主観だけで買いを入れがち。しかし、株価を動かすのは自分ではなく市場の「他者」。「相手の立場になって行動を予測する」というすご腕の教えを基に、大口投資家の心理を先読みし、激動の相場で利益の波に乗るための「予測の極意」に迫ります。
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「相手の立場」から市場を読む
すご腕投資家に学ぶ“予測の極意”
ビジネスにおいても、株式投資においても、卓越した成果を上げる人が共通して持っている「視点」があります。それは、自分の都合ではなく「他者の視点」から物事を徹底的に観察し、次の展開を先読みする力です。
自動車販売店で働く株式投資初心者の主人公が、ある若い夫婦を接客する以下のシーンには、マーケットの本質を見抜くための極めて重要なヒントが隠されています。
(これは……子どもが生まれるタイミングで車を探してるんだな)
経験から、そう踏んだ。こういう顧客は購入意欲が高い。成約につながる可能性も高い。そう思って、声をかけた。
――『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』より
初心者投資家が陥る「独りよがりな分析」の罠
多くの個人投資家は、株を買う際に「自分がどう思うか」ばかりに気を取られがちです。「この企業のサービスは素晴らしい」「株価チャートの形が自分好みだ」といった主観的な理由だけで買いを入れてしまうのです。
しかし、株価を動かすのは自分ではなく、市場にいる「無数の他者(大口投資家や機関投資家)」です。この主人公が「お腹の膨らんだ妻」という客観的な事実から、顧客の強い購入意欲を的確に読み取ったように、投資家もまた、市場に転がる事実から「他の参加者がどう動くか」を冷静に推測しなければなりません。
「荷物がたくさん積める、広めの車がいいかなって。おすすめありますか?」
「それはおめでとうございます! ごよ……」
――『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』より
自分のマニュアルを捨てた瞬間に見えてくるもの
主人公は、お決まりのセールストークとして「ご予算は?」と尋ねかけました。多くの投資家も同じように、「業績が良いから買う」「割安だから買う」という、自分なりの定型的なマニュアル(手法)に頼ろうとします。しかし、機械的なアプローチだけでは、市場の急な変化や本質的なチャンスに対応できません。
主人公の言葉を遮ったのは、ベテランのすご腕投資家・シゲルさんから授かった教えでした。
――相手の立場になって、行動を予測する。
――『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』より
勝ち続ける投資家のノウハウ「大口の視点に立つ」
「相手の立場になって、行動を予測する」――これこそが、激動のマーケットで生き残るための最強のノウハウです。
株式市場における「相手」とは、市場の大半の資金を動かす機関投資家や海外のクジラ(大口投資家)たちだったりします。彼らが今、どのようなマクロ経済環境を警戒しているのか? 好決算が出たときに、彼らはさらに買い進むのか? それとも「材料出尽くし」で売ってくるのか?
主観的な「上がりそう」という感覚を捨て、大口投資家の心理や行動パターンを予測する側に回ること。買い手の視点に同化して相場を俯瞰する柔軟性を持って初めて、罠を避け、本当の利益の波に乗ることができるのです。
※本稿は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。



