戦争の大半を通じて、イランには極めて貴重な「緩衝材」が存在していた。数百万バレルの原油を積んだまま、アジアの海域に安全に停泊していた数十隻の石油タンカーだ。イラン政府はこの原油を中国に着実に売却し、切実に必要としていた数十億ドルの現金を手に入れていた。現在、その洋上備蓄は消失している。データ分析会社ケプラーのアナリストによると、米海軍による封鎖でイランが通常中国の製油所に販売している原油を補充できなくなったため、10月中旬までに備蓄は完全に底をついた。ケプラーの原油分析責任者ホマユン・ファラクシャヒ氏は、「中国に陸揚げする原油はもう残っていない」と述べた。石油収入の減少は、苦境にあるイラン経済にとってさらなる打撃だ。同国はすでに制御不能なインフレと広範な物不足に直面している。中東を管轄する米中央軍は17日、この封鎖によりイラン政府は少なくとも250億ドル(約3兆9400億円)相当の石油収入を失い、その結果、破壊された工場や兵器を補充するイランの能力は制限されると述べた。