ホドホド現役人材は、自主・自立的な管理者スタンスを備えた方が多いが、役職定年後はその後ろ盾となっていた肩書き・職務権限がなくなる。肩書き意識は低いものの、それを自己の管理業務に上手く活かしていた時代から、これが使えない役定後の働き方になると、そのパワーは一気に落ち、役割終了感=定年意識=自己無用感が強まり、消極的な仕事適応になりがちだ。

 活かし方としては、個人の特性と経験の強みを自覚させ、「期待する目標」の設定と個人の係わり方の期待、そして、達成の評価による「役立ち感の持続」を図ることがその鍵だろう。元々現場実務に長けた能力を発揮して管理者となってきた方が多く、その持ち味は現場をよく知っている“プレイングマネジャー”だ。管理業務を外しプレーヤーとして現場活用する際には、この特性を生かし、目標として個人プレーヤーとしての目標のほか、プロジェクトの推進サポートなど組織貢献目標を与え、自分を活かそうとしてくれている実感を持たせることだ。

「ホドホド現役社員」を活かすための
3つのポイント

 このホドホド現役タイプの人材の上手な使い方を、組織全体的視点でまとめると次のようになろう。

①人事管理上の観点から

 役定前から、意欲が衰え怠けた働き方になっている人はまずいないが、気持ちの上で、少し早い“役割終了感”を感じる人は多いので、キャリアデザイン研修などで、早めの予防措置を講じ、今後も長く会社に貢献してもらう期待の表明と、役割が変わるが、気持ちを引き締めて、仕事に向うマインド作りを行う。

 役定後の職務については、他のタイプの方と同様、過去の経験・現有能力が活かせる職務に就ける原則に変わりはない。与える仕事は個人の能力・意欲の程度に応じ、プレーヤー業務のほか、少々の管理的業務を与えておくことも検討した方がよい。

 評価は、仕事の自己管理ができる方なので、役割と期待をキチンと明示した上で、個々の業務は自主的・裁量的取り組みでやらせ、結果を重視した仕事評価を行う。

②部下としてこのタイプを持つ上司の管理スタンスとして

 上司として、このタイプの方を部下に持ったら、まず職場面談を通じ、経験・能力・意欲を把握し、意欲の委縮気味の方には、その是正を求め、引きがちになる気持ちを立て直してもらう。職務については、役割と期待成果を伝える。目標設定については、基本は個人プレーヤーとしての目標とし、意欲の高い方にはプロジェクトマネジメント的業務での目標など、組織貢献に対してチャレンジ・奮起する気持ちをおこさせる。

③周囲の仕事仲間・若手としては

 このタイプの方は、よき管理者であること(あったこと)に誇りを持っており、また、実務の面でもプロフェッショナルなスキル・人脈を持った方が多いので、現場での若手指導や、業務改善などのプロジェクトにおいて組織の課題解決の知恵者・アドバイザーとして活用する。

 また、仕事や組織の課題解決の実務能力がある方には、組織の特定業務を担ってもらい、使い勝手の良いベテラン先輩社員として皆で活用度を高める。

 今回は、50代役職定年社員の問題人材のタイプのうち、ホドホド現役人材の実態とその人たちをどのように活用すればよいかを見てきた。次回は、この項の締め括りとして、『イキイキ現役』人材について、どうすればそのような人材となり、よい働き方ができるのか、その対策も考えたいと思う。

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