オーディオの技術が進化させた
ベロダイン社の「ライダー」
米ネバダ州で実証試験する「グーグルカー」。車両は第二世代のトヨタ「プリウス」 資料提供:ネバダ州DMV(自動車管理局)
グーグルカーをパッと見た時、最も大きな特徴なのは、車体ルーフ部分でクルクルを回る円筒形の装置だ。
これを、「ライダー(LiDAR、Light Detection and Ranging)」という。360度回転しながらレーザー照射を行い、周囲の物体からの反射で距離を割り出して、3D映像化するものだ。
製造販売しているのが、米ベロダイン社(本社:カリフォルニア州モーガンヒル市)だ。発明家のデビッド・ホール(David Hall)氏が、1983年に低周波の関連技術を活用したスピーカー等の研究開発を目的として設立した。
ベロダイン社の創業者兼CEOの、デビッド・ホール氏。日本のメディアのインタビューを受けるのは稀だ Photo by Kenji Momota
ホール氏は「創業以来、常に何か新しいことを考えていた。半導体関連など、いろいろやった」と当時を振り返る。
そうした研究のなかに、「ライダー」の原型もある。90年代から2000年代初め、ホール氏は自ら「ライダー」を使い、自律走行に関するコンテストに出場していた。そして2004年、DARPA(国防総省・高等研究計画局)主催の自動運転カー賞金レース「DARPAグランドチャレンジ」に、チーム「DAD(Digital Auto Drive)」として出場。翌2005年の同大会では、64本のレーザーを照射するタイプの「ライダー」を装着して出場した。
ベロダイン社の「ライダー」のデータを可視化するソフトウエアの展示(デトロイトモーターショーにて) Photo by Kenji Momota
そして2006年、それを「HDL-64E」として発売開始。翌2007年、カリフォルニア州内の旧空軍基地で行なわれた都市型交通の自動運転シミュレーションのレース「DARPAアーバンチャレンジ」では、1位、2位を含む完走車6台中5台が「HDL-64E」を装着していた。
こうして、「ライダー」は欧米での自動運転実験向け装置としての定番となった。



