シリコンバレーの日常的光景
スタートアップのプレゼン大会

 本連載第154回『アップル「iOS 7 in the car」登場で急加速! 激変する米テレマティクス業界の最新現地事情~トヨタ・ホンダ・日産シリコンバレーオフィス独占インタビュー』には、多方面から反応があった。

 紹介した3メーカーなど自動車産業関係者はもとより、証券会社、商社、コンサルティング会社など“投資”に対する関心が高い。そうしたなか、「テレマティクス関連のスタートアップ探しが盛んになっている」という声を数多く聞いた。

Sunnyvale市にある、Plug & Play本社Plug & Play Expo、2013年秋大会の様子。投資家、企業関係者、スタートアップ関係者を含めて500人を超える人で場内満席 Photo by Kenji Momota

 スタートアップ(Startups)とは、ベンチャー企業と同義語。シリコンバレーでは、こちらの呼び方が好まれる。また、スタートアップの発掘と小規模投資、また投資家とのマッチングを行うビジネスモデルを「スタートアップ・アクセラレーター(Startups Accelerator)」という。

 2013年9月12日、シリコンバレーの中核・サニーヴェール市。大手スタートアップ・アクセラレーターの「Plug and Play Tech center」が四半期に1度開催する「EXPO」を取材した。同社二階のプレゼン用会場には、主催者予想を超える500人が詰めかけ、立ち見が出た。

 会場の中央には50名ほどの投資家席が設けられ、ベンチャーキャピタル等が座っている。その周辺に、コーポレイトパートナー(グーグル、ディズニー、サムスン、富士通など250社が登録)や、ユニバーシティパートナー(スタンフォード、MIT、カーネギーメロン、プリンストンなど20校)の関係者が座る。この他、自動車メーカーを含む多種多様な企業関係者が情報収集のため参加している。

Plug & Play Expo 2013年秋大会。プレゼンテーション公開会場の隣で、スタートアップたちが自社製品をデモ Photo by Kenji Momota

 会場中央舞台で各社がプレゼンする「Startup Pitches」はまず、14:00~15:15で17社。30分間休憩を挟んで、15:45~16:45に17社。つまり、1社の持ち時間は3分間だ。この34社のなかから優秀3社が選出される。またプレゼン会場の隣では、各社のデモンストレーションが行われていた。

 発表内容は、モバイル(日本でいうスマホ)やインターネット関連のアプリ、ソフトウェア、そして小型カメラなどのデバイスだった。発表者のほとんどが20歳代のCEOだ。そのなかで目立ったのは、有名大学大学院に在学中の中国系・韓国系アメリカ人の歯切れも良いしゃべりだ。