シリコンバレーでも噂

 「Uberを完全に買収して自動運転事業を始めるのが、妥当なのでは?」

 グーグルカーを今後、どのように事業化していくのかについて、シリコンバレー界隈では最近、こうした噂が広まっている。

 グーグルグループのベンチャーキャピタルである、グーグルベンチャーは2013年8月、Uberに対して2億5800万ドル(約258億円)を投資している。

 Uberは、スマートフォンのアプリで、ハイヤー配車を行う米ベンチャー。2009年にサンフランシスコで創業。全米各地や世界各地でサービスを拡大しており、2013年後半から東京・六本木周辺で実験的運用を始めている(関連記事:「グーグルは将来ハイヤー会社になる? ただし「自動走行車」専用で。」)。

 Uberは、都市交通の高級なイメージを狙っている。

グーグルカーの根本的発想が、
自動車メーカーでは採用不可

 以上のように、パズルのピースは揃った。

 外から目立たない小型「ライダー」の普及促進、スタンフォード大学とグーグルとアウディとの関係、グーグルが主導するOAAにアウディとnVIDIAが参加、ネバダの砂漠よりサンフランシスコなどの都市型での実証を優先など…。

 一時は、グーグルがテスラを買収するのでは?などと噂されていた。だが、EVとはいえ、製造販売業としてみればテスラも所詮、旧態依然とした自動車ビジネスの一種だ。

 グーグルの狙いは、そうした“既成概念”を対象にしていない。社会基盤の実情に沿った「(世界中の人々が)こんなのがあったら便利だ」と思えるモノを作り出そうという「素直な発想」を優先している。

 こうした発想は、日本だけではなく、欧米の自動車メーカーからも出てこない。

 なぜならグーグル的発想では、クルマが売れなくなるからだ。カーシェアリングに代表されるように、より効率的で利便性の高い交通システムを考えた場合、個人や法人それぞれが自動車を所有することが「最良の策」ではないのだ。

 自動車産業にとってグーグルカーは、とてつもなく大きな“黒船”なのかもしれない。

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