広報スタッフはCCO予備軍
評価指標を自ら構築せよ
――このインタビューは多くの広報関係者にも読んでいただけると思いますが、CCOとしてどんなエールを送りたいですか。
自ら歴史を刻むチャンスが到来していると思います。ステークホルダーとのリレーションシップにはコミュニケーションが不可欠ですが、ソーシャル・メディアの普及により、今後の広報活動は、より戦略的な取り組みが行われるようになるでしょう。世界中の人々が会話に参加し、ブランド革命でも新しい命とエネルギーを吹き込める機会が到来しているのです。ブロガーたちは、独自の価値の立証を続けており、彼らとはプレスリリースを超えたコミュニケーションを築けるでしょう。
日本では、2020年の東京五輪の開催が決まりました。東京五輪では、ソーシャルとモバイルによって試合やイベントの視聴が可能になり、バーチャル・テクノロジーの普及により、例えば100メートル競走の優勝者と自分が競争するといったような一般の人々がイベントに参加する仕組みもできるでしょう。また、東京は、世界で最もインテリジェントでスマートなIT都市の機能を備える街になるでしょう。
そうした“舞台”で、自分に何ができるようになるかを考えるだけでもワクワクしませんか。
――CCOが能力をいかんなく発揮するには、どのような環境が必要でしょうか。
ステークホルダーとのコミュニケーションに従事することが、非常に重要で価値のある仕事だと認識してもらうことです。特に経営トップには、そうした認識が必要です。
とはいえ、単なる理念としての評価を求めているわけではありません。評価してもらうためには、評価の指標を持つことが必要です。会社にどのように貢献したかを主体的に指標化し、その指標の妥当性や正当性を認識してもらうのです。
さらには、CCOに象徴されるコミュニケーション・スタッフが、他の幹部と情報や意見を気楽に交換できる環境づくりも重要です。企業としての全体的なストーリーの発信には、幹部たちとの意見交換が不可欠です。そして、ストーリーで語ることが、ニュースリリースでは価値を届けることのできなかった人たちへの“扉”を開くことになるはずです。
[制作/ダイヤモンド社クロスメディア事業局]