自分の「男性力」は?
最初はドキドキの検査開始

 メンズヘルスクリニック東京は、東京駅から歩いて数分の距離にある。西沢さんは、朝の通勤ラッシュが一段落した午前10時少し前に検査受付を済ませた。

 明るく開放感のあるカウンター越しに、受け付けの女性がにこやかに迎えてくれた。「ここはホテルか?」と、西沢さんは一瞬戸惑った。

体調やメンタル面の詳細な質問に答えていく

 まず最初に、かなり入念な問診票の記入を行う。設問数はゆうに50問を超えていただろうか。受診者の肉体的な健康状態の他に、内面的な健康状態を把握する設問も設けられている。

「ここまで調べる検査って、一体どんなことをするのだろう」。西沢さんは、思わず自分が予防接種の順番を待つ子どものような気持ちになってしまったことがおかしかった。

「西沢さん、こちらへどうぞ」

 検査は完全な個室で行われ、専属の看護師が一人で担当する。人間ドックのように、検査中に他の受診者と出くわすことはない。個室に入った瞬間、西沢さんは気付いた。

「あれ? 特に変わった検査機器はなさそうだ」

 問診であれだけ多くの設問に答えたわけで、それなりに色々な機材に繋がれるものと覚悟を決めていただけに、正直意外だった。今日、西沢さんの検査を担当してくれるのは、男性看護師の佐野さん。検査着に着替え終わると早速検査が始まった。 

【1】体組成計検査
乗るだけで筋肉量や肥満度などもすぐにわかる
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【2】超音波骨密度検査
計測機に右足を乗せる。骨の丈夫さを調べる
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【3】PWV検査
いわゆる「血管年齢」を調べるための検査
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【1】体組成計検査
まず、人体の組成を分析する計測器に乗る。体重、体脂肪率、筋肉量、体水分量、BMI(肥満度)を測定。腹囲、胸囲、首周りなどは、別途メジャーで測る。

【2】超音波骨密度検査
踵骨 (しょうこつ・かかとの骨)で骨密度を計測。検査機器に右足を乗せるだけ。

【3】PWV検査
PWV(脈波伝播速度)、つまり心臓からの拍動が伝わる速度を計測することによって、血管の硬さを調べる検査。動脈硬化の度合いや「血管年齢」を知ることができる。