ビッグデータで重要な4つのV
~新しい価値を賢い受療行動につなげる

 医療ビッグデータの利活用は、まだ緒についたばかりである。

 紀ノ定氏は、医療におけるビッグデータの定義を、次の4つのVで表現する。

(1) Volume(データのボリューム)
(2) Variety(診療記録のテキストデータ、検査の数値データ、画像等)
(3) Velocity(発生頻度(速度)や更新の頻度)
(4) Value(患者、関係医療機関、医療従事者にとっての価値)


「ビッグデータというのは、ただ単にデータの数が多いということではありません。私は、通常言われているビッグデータの特徴3つのVに加えて、4つ目のV(Value)が、医療においては大変重要と考えています。ビッグデータ技術の活用は始まったばかりですから、さまざまな通念にこだわることなく柔軟に、現実に即したかたちで医療の質向上に役立てていきたい」

 ビッグデータを活用した新しい知の創出は、医学、医療、生命科学分野における新しい知識学構築への挑戦であると、紀ノ定氏は言う。医療を消費する顧客としての患者のサイドも、こうした変化を先取りし、賢い受療行動につなげたいものである。