【第2回】社風を採用に生かす

【第2回】採用における社風フィルターをどう作るか
アサヒビール、アルケア、大阪ガス

著者・コラム紹介
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「アサヒらしさ」をリアルに伝える
採用活動サポーターが活躍!

──「社風」をどのように採用活動に生かしていますか。

アサヒビール
人事部長 樋口祐司氏

 アサヒビールの社風の最大の特徴は「人やチームワークを大事にする」ことです。自社商品を深く愛し、共に働く仲間や会社に対する思いも強い。「愛社精神」が今もしっかり生きています。やはりそんな社風に共感してくれる人を採用したいと考えています。社風を体現するのは、何といっても「人」ですから、採用過程で、とにかく社員と学生の対話の場を数多く設けています。

 それを支えているのは「採用活動サポーター」として、自主的に採用活動を手伝ってくれている社員たちです。説明会で座談会をしたり、学生からの質問に答えたり……。当社独特の取り組みとして、選考中の学生と社員が1対1で会ってさまざまな質問に答える「ワンツーワン説明会」というものがあります。仕事のことだけでなく「結婚や出産と仕事の両立方法」「転勤で恋人と遠距離恋愛になったときの乗り越え方」など、プライベート寄りの質問が出ることも多いようで、入社前から社員と学生の間に絆が生まれています。

──対応のマニュアルなどはあるのですか。

 何を話すか、どう伝えるかを人事部が指示することは一切なく、社員にはありのままをざっくばらんに話してもらっています。だからこそ、当社の最大の財産である人の魅力をストレートに学生に感じてもらうことができる。そのおかげで、内定者にアンケートを取ると、最終的にアサヒビールを選んだ理由に「社員の魅力」を挙げる人が非常に多いですね。

 入社後は「ブラザー/シスター」と呼ばれる先輩社員が新入社員の教育を担当します。この指導にもマニュアルはありませんが、彼らはみんな、仕事の「How to」だけでなく、働く意義など「Why」の部分まで踏み込んだ指導をしていますね。後輩を指導したからといって自分の評価が上がるわけでもないのに、毎年多くの社員が自主的に指導役に名乗り出てくれて、使命感を持って取り組んでくれているのはありがたいことです。離職率が約1%と低いのも、入社前から一貫して社風をリアルに伝え、人間関係の構築を行っていることの成果といえるかもしれません。

──「アサヒらしさ」が、しっかり社内で共有されているのですね。

 社風を正式に言語化しているわけではありませんが、「アサヒらしさ」は大部分の社員がしっかり共有できていると思います。2011年にホールディングス化したとき、「その感動を、わかちあう。」というコーポレートメッセージを核として価値観をすり合わせる取り組みを行ったことで、より明確になりました。よく「体育会系」といわれますが、一つの目標に向かって一体となって突き進む企業風土は、確かに体育会系という言葉が似合うかもしれません。

 しかし、社風に共感してくれる人材ばかりを採用していると、社員が金太郎あめ化してしまう懸念があります。異質な人材もバランスよく採用し、育てていくことはこれからの課題ですし、特に、グローバルな素養やクリエーティブな素養がある人材の採用は経営課題でもあると考えています。

──ダイバーシティを高める工夫はしていますか。

 これだけで解決するとは考えていませんが、一つの取り組みとして、一芸に秀でた人を対象にした「あなたらしさ採用」が昨年からスタートしました。また、ダイバーシティを高めるためには「受け入れる側」の意識変革も必要だと考えています。せっかく個性ある社員を採用しても、「話が通じない」「何を考えているか分からない」などと上司がさじを投げればせっかくの人材を生かし切れません。これから海外事業を広げていくと、文化基盤の全く異なるスタッフのマネジメントがより日常化します。多様な個性を受け入れるための教育がますます必要になってくると考えています。

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[制作/ダイヤモンド社クロスメディア事業局]

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