新幹線の車幅は3380mmで、TGVは2904mmだ。これに先ほどの軌道中心間隔を加味すると、新幹線の車両と車両の実際の幅は、東海道新幹線で820mm、山陽新幹線でも920mmだ。TGVは1260mmとなる。
「その差、たった3㎝だろ?」という声が聞こえてきそうだが、対向時の風圧は、車両壁間隔に比例し、速度の二乗に比例すると言われており、この差は極めて大きいのだ。
日本の新幹線の風力抵抗を考えた技術は、世界でNo.1だと思う。ゆえに、騒音対策も世界一だと思う。だが、日立や川重が必死に考えている技術は、日本の線路規格だから必要なのだ。海外のように高速鉄道用の緩いスペックの線路環境で新幹線を走らせるとしたら、過剰スペックと言われかねない。
こうした状況を見る限り、まさにガラパゴスなのだ。繰り返すが、日本は50年前の規格のまま新幹線建設を続けている。
そうそう、380km/hで世界最高速度だとアピールしている中国の最小曲線半径は、なんと9000mだ! それは速くなるわな……。
世界の高速鉄道は350km/hを1つの目安にしている。今後、着工となる北陸新幹線や北海道新幹線の延伸区間のいずれかにて、最小曲線半径や軌道中心間隔の勾配などを変更し、世界の高速鉄道が目指す350km/h以上の営業速度を目指してはどうだろうか。
「日本は最小曲線半径が他の国よりも規制が厳しいので、営業最高速度は300km/hですが、理論上は350km/hが出ます」という条件付きのプレゼンよりも、「北陸新幹線では常時350km/hで運行しております!」と宣言できた方が受注確率も高まるだろう。
新幹線が世界一になるために
越えるべき壁(3)
「売る力の強化」
第三の「越えるべき壁」は、売る力の強化。新線敷設の際には、専門のコンサルティング会社が調査・設計を担当する場合が多い。このコンサルティング会社の役割が実に幅広い。調査・分析のみならず、車両や機器の発注先の助言にまで関与する。



