円安の巻き戻しで好調株価に影響も?
日本経済にマイナス効果が波及する可能性

 主要供給国であるサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相は、米国のシェールオイルとのシェア争いに言及したという。かつて同国が減産によって、国際市場でのシェアを落とした苦い経験が働いているのだろう。

 また、同国が抱える国内外の問題を考えると、短期的に減産に踏み切ることは考え難い。おそらく、エネルギー輸出依存度の高いロシアなどと同じ状況だろう。とすると、当面国際市場での需給状況は大きく変化することはないだろう。原油価格が短期間に大きく上昇することは考え難い。問題は、“逆オイルショック”がこれからも続くことだ。

 わが国に関しては、今のところ、原材料としての原油価格の下落によるメリットの方が多い。ガソリン価格の低下は、一般家計や運送費用の低下を通して経済全体にプラスの効果をもたらすからだ。

 しかし、これから徐々に、“逆オイルショック”のマイナス面が波及すると覚悟した方がよい。世界的なマネーフローの変化によって、ブラジルなどの主要資源国を中心に新興国の経済が痛手を受け、それがわが国をはじめ世界経済の足を引っ張ることになる。

 また、マネーフローの変化は投資家のリスク許容量を低下させ、ヘッジファンドなど大手投資家をリスクオフの方向へと追いやる。為替市場では、リスクオフの動きに従って円安に巻き戻しの動きが出るだろう。

 円安に修正が加わると、わが国ではGPIF(年金資金管理運営機構)や日銀に支えられてきた、官制の株式上昇のトレンドに変化が出ることも考えられる。また、原油価格の下落は、デフレからの脱却を目指す日銀にとって大きな逆風になる。

 金融市場が不安定になり、デフレ脱却のメドがつかなくなると、アベノミクスに大きな打撃になることも考えられる。原油価格が下がれば、我々にとってプラスになると単純に考えることはできない。

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