労働時間短縮と業務変革の決め手は何か。「ワーク・ライフ・マネジメント」を提唱する元東レ経営研究所社長の佐々木常夫氏と、経費精算システム「楽楽精算」を提供するラクスの中村崇則・代表取締役社長に聞いた。

佐々木常夫
マネージメント・リサーチ
佐々木常夫 代表取締役
1944年、秋田県生まれ。69年、東京大学経済学部卒業、同年、東レ入社。84年、課長に就任後、妻が肝臓病で入退院を繰り返すうちにうつ病を併発。家事全般を担いつつも、破綻会社の再建、数々の事業改革を成功に導く。2001年、同期トップで取締役、03年、東レ経営研究所社長に就任。近著に『それでもなお生きる』(河出書房新社)、『それでも、人を愛しなさい』(あさ出版)など。

――佐々木さんが提唱される「ワーク・ライフ・マネジメント」はどうすれば実現できるのでしょうか。

佐々木 生きていく上で大事なことは幾つもあるのに、日本人はどうしても仕事以外のことを犠牲にしてしまう。

 何の計画もなく、だらだらと長時間労働をするのが当たり前になっているから、自分や家族のための時間が失われてしまうのです。

 まずはムダな仕事を減らし、適切な計画を立てて、デッドラインまでに仕事を終わらせるように自分を追い込んでいく。最短コースでやるためにはどうしたらいいかを考える。

 そして、計画通りに仕事が進まなかったときには、何が問題だったのかを検討して改善を図る。

 このように仕事の進め方を合理的に管理すれば、おのずと労働時間は短縮され、プライベートの時間が充実します。何も難しいことではありません。

※ワーク・ライフ・マネジメント
佐々木常夫氏の提唱する、仕事を効率的に行うことで家族と自分の生活も大切にする人生のタイムマネジメントのこと