ムダの一掃と生産性の
向上に“道具”を活用

ラクス
中村崇則 代表取締役社長
1973年、山口県生まれ。神戸大学経営学部経営学科卒業、同年、日本電信電話(NTT)入社。NTT在職中に、無料メーリングリストサービス提供の会社を設立。2000年、ITエンジニア育成会社を設立し、10年、同社をラクスに社名変更。

中村 日本の製造現場の生産性の高さは世界屈指であるのに対して、ホワイトカラーの生産性は世界的に見てかなり低いといわれます。

 いまだ、長時間働けば良い商品やサービスができると考える傾向があることも否めません。今は、いかに短時間で付加価値の高いアウトプットができるかが重視される時代ではないでしょうか。

 グーグルなど、世界を変える革新的なサービスを幾つも生む企業ほど、社員がある程度自分で働く時間を管理し、成果を出しているようです。

佐々木 日本では、仕事の成果よりも働く時間の長さで勤務評価が行われやすい点も、ホワイトカラーの生産性を下げている一因だと思います。そうではなく、短時間で成果を挙げることの重要性を経営者が十分に理解して、社員にムダな仕事をさせないようにしっかり管理すべきでしょう。

 同時に考えたいのは、現場で業務効率化のための“道具”を活用することです。私が1980年代半ばに東レの課長になった時、会社から大幅なコスト削減を命じられ、社員が手作業で行っていた事務のOA化を推し進めたところ、4割のコスト削減効果が得られました。

 このように、ムダな仕事を切り捨て、“道具”を使って合理化することは、業務改革の重要なポイントだといえます。