中村 “道具”で効率化できる業務はいろいろあると思いますが、当社が注目したのは交通費などの経費精算業務です。
ご承知のように、営業担当者などが交通費を精算する場合、インターネットなどで運賃を1件ずつ調べ、所定の書式に転記して上司に申請するのが一般的ですが、この経費精算業務だけで1ヵ月に数時間が費やされることも少なくありません。
また、各部署から回ってきた経費申請書は、経理スタッフが内容に誤りがないかどうか、定期券の区間が控除されているかどうかなどをチェックし、仕訳、会計ソフトへの入力などを手作業で行わなければなりません。
このように、経費精算業務はあらゆる企業で全社的・日常的に発生する業務でありながら、ムダが多く、生産活動には貢献しません。当社はそこをIT化することが、業務効率化、およびコスト削減に寄与すると考え、経費精算システム「楽楽精算」を開発しました。
経費精算のIT化は
変革の「一丁目一番地」
――「楽楽精算」には、どのような特徴があるのでしょうか。
中村 最大の特徴は、ITを活用して記入や入力などの手作業を大幅に省力化した点です。
「楽楽精算」には乗換案内ソフトが内蔵されており、経路を選択するだけで運賃が自動入力されます。また、交通系ICカードの利用履歴を読み込む機能もあるので、一件一件、手入力する必要がありません。
現在、ラクスの社員は約300人ですが、自社でも「楽楽精算」を導入し、本来なら754万円ほど掛かっていたはずの経費精算業務コストが、約3分の1の239万円に圧縮できました。
当社はこの「楽楽精算」をクラウドサービスとして法人のお客さまに提供していますが、コスト削減効果はもちろんのこと、「時間が有効活用できて社員の生産性が上がった」「経理の業務が減って、税対策や会計制度の見直しなど、戦略的な業務に集中できるようになった」といったお声も頂いています。