見える環境が生んだ
「みっともない仕事はできない」意識
「アベニュー」からはどこに誰がいるか一目瞭然
「常に周囲に見られている感じがする」「会議中も通路を歩いている人と目が合う」などの声が聞こえてきた。これほど開放的な環境で仕事をした経験のある金融マンなど日本中探してもいないのだから、それも当然の反応だろう。しかし、そうした不満はわずかな期間で消えていったという。
「見せずに隠すが大前提だった職場が、いきなり見えるように変わったわけですから、ギャップを感じているメンバーは大勢いました。しかし、しばらくすると社員たちに変化が生まれたんです。
見られることに慣れて、逆に『自分の仕事の質を見せてやる』という意識が生まれだした。従来の守秘的な環境下では『どうせ誰も見てない』という油断があった社員たちの間にも、『どうせ見えてしまうなら、堂々と見せよう』という感覚が出てきた。見せるとなればみっともない仕事はできない。開き直って最高のパフォーマンスを見せようという、いい意味での緊張感につながったわけです。この部分の意識改革において、新オフィスが果たした役割は非常に大きいと感じています」(髙野副社長)
そしてもう一つ、オフィスをガラス張りの環境にすることによって生まれた成果が、グループの一体感だ。
ガラス張りだと挨拶も増える
以前のオフィスでは会社や部署ごとに異なるフロアで働いていたために、「名前は知っているが顔は知らない」「電話とメールはするが会ったことはない」という社員が多くいたという。また、グループの組織力を活かしたシナジーが発揮されることも少なかった。
そこで新オフィスはワンフロアにこだわって共有スペースを広く取り、「顔の見える環境」を整備してコミュニケーションの活性化を目指した。
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