国際物流戦略こそ
経営の重要な柱
原 これからの時代、企業はどういった視点を持って国際物流の活用を考えていくべきでしょうか。
西村 やはり、これだけグローバル化が進むと、先ほどのポテトの話ではないですけれども、「この輸送手段・経路では届けられない」といったことが起こることを想定して、マルチモーダルな輸送能力やネットワークを持っていることは不可欠ですね。
秋田 マルチモーダルは、インテグレーターであるUPSの強みです。自社機・チャーター機を含め、500機以上の貨物飛行機を運航、約10万台の車両を保有しているほか、フレートフォワーダーとして、他社の飛行機や船を活用した航空・海上輸送の手配から、倉庫管理まで、総合的な物流サービスをご提供しています。また、テクノロジーにも毎年10億ドルを投資しており、先進の技術を駆使した、お客様のサプライチェーン・システムのグローバルなネットワーク構築などの需要にも対応しています。
ある在庫について、輸送手段は陸・海・空のうち何を使うのがベストか。さらにどこの拠点、倉庫に運ぶか。もっと大事なのは、そこで使われるグローバルなプラットフォームが同じでないと、どのパーツがどこにあるのか、どこから調達すればいいのか、どこからどこに運べばいいのか管理できない。全て統一のプラットフォームで管理できていると、例えば、北米に在庫がなければ、欧州でも日本でもなく、南米のあそこから運べばいい、といった風に一番短い所要時間でお届けすることができます。
さらに、UPSはそれを一貫して、1つの窓口で自社の社員が対応していますので、同業他社にない強みだと思っています。
原 UPSの調査で明らかになったとおり、グローバルに生産拠点が増えた日本の製造業では、コスト管理が一つの大きな問題になっています。それを解決するためにも、全体最適を見通し、「業務の効率化」、「最短納期」、「ジャスト・イン・タイム」を実現する手段を明確にしていくことが、今後ますます重要になっていきますね。
国際物流をどう活用するか、物流に対してどのような経営戦略をとるかによって大きな差が生まれてくると思います。