化粧品メーカーのマンダムが約1000人を対象に調査・研究を行ったその結果、発見されたニオイの正体が「ミドル脂臭」だ。ミドル脂臭とは、ジアセチルという原因成分を主としたミドル男性独特のニオイのことで、酢酸に比べ120倍も拡散しやすく、少量でも周りを不快にさせるため、“つわり香”とも呼ばれている。アンケートで約3割の人が「使い古したような油のようなニオイ」と答えたそのニオイが、まさにミドル脂臭である。
さらにこのニオイがやっかいなのは、男性よりも女性のほうが2倍感じやすいということ。これまでタクシー会社、ホテルなど様々な企業のニオイ対策を取り上げてきたが、女性社員や女性の顧客からの声で対策を始めたという企業は少なくない。ニオイに敏感な女性からのクレームを避けるためにも、ミドル脂臭対策は急務と言っていい。
「耳の後ろ」は洗ってもムダ!?
最も臭う場所は「頭皮」だった
アンケートでは「どの部分のニオイが気になるか」(複数回答可)ついても尋ねている。この結果、最も多かったのが「わき」で36%、次いで「頭皮」22%、「首筋」20%となった。
わきのニオイは、20代にピークを迎えて、30代以降も続く「汗臭」と呼ばれるもので、約半数の男性が「すえた汗のニオイ」として気にしているのがまさにこれである。
一方で「頭皮」「首筋」を発生源とするニオイが、ミドル脂臭だ。ミドル脂臭は、後頭部を中心とした頭部や襟足の汗に含まれる乳酸が皮膚常在菌によって代謝・分解されて発生。これが皮脂と混ざることでさらに悪臭化する。「枕のニオイ」が気になっている人はいないだろうか。まさしくミドル脂臭がそのニオイの原因であり、大量の汗をかき、皮脂がべたつく暑い季節ほど、要注意だ。
アンケートでは、ニオイの気になる場所として「耳の後ろ」を挙げる人がいたが、これは「加齢臭が耳の後ろから発生している」という都市伝説を信じているからだろう。しかし、実際加齢臭が発生しているのは、背中や胸などの体幹。耳の後ろからはあまりニオイがでないことがわかっている。アンケートで「体幹」をニオイの気になる場所として挙げる人はわずか11%だったので、やはり40代で加齢臭がする人は少数派なようだ。