金価格の上昇が続いている。これは単なる投資対象としての人気の高まりだけではなく、世界経済や金融市場に対する不安の表れとも考えられる。特に、米国の財政不安、制裁リスク、そして金保管の不透明性に対する疑念が、金の需要を押し上げている。こうした動きの背景には、世界の中央銀行や投資家が「安全資産」としての金を見直し始めている現状がある。本コラムでは金の持つ特性と価格変動の要因を整理し、過去の金価格の動向を振り返りながら、現在の金市場を取り巻くリスクと今後の展開について考察するとともに、金価格の上昇が示唆する市場の不安心理が、今後どのような影響をもたらすのかを検討する。
続きを読む