2025年「マネー縮小」危機に備える投資戦略は?国債、ディフェンシブ株、REIT…Photo:PIXTA

2024年はストレス少なく“平穏無事”
指標で読み解く金融市場のストレス

 個人投資家によって見方が違うかもしれないが、2024年の金融市場は、ストレスの少ない“平穏無事”が続いた。

 いくつかの米連邦準備銀行は、金融市場のストレスレベルを測定する指標として、「金融ストレス指数(FSI: Financial Stress Index)」を開発・公表している。FSIは値が大きくなればなるほど金融市場のストレス・緊張が高まることを意味しており、金融市場のボラティリティ、信用スプレッド、流動性、資金コストなどで構成される。

 例えばセントルイス連邦準備銀行は、金利や利回りスプレッドといった18の週次データから「セントルイス連銀金融ストレス指数」(STLFSI)を公表している。STLFSIの過去最高値は、リーマンショック時(08年10月)に記録した9.516で、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念された20年3月にも5.5253の高水準を記録している。

 一方、2024年のSTLFSIは終始0未満(マイナス)で推移しており、最高値は8月9日に記録した-0.1625である。22年や23年には0を超えたプラス領域を記録する場面もあっただけに、STLFSIでみた金融市場は、24年が過去3年の中で最もストレスの少なかった年といえる。

 しかし2024年12月の金融市場は、世界で膨張したマネーが縮み始めている気配を示している。次ページでは、「マネー縮小」の到来リスクと、それに備えた投資戦略について検証する。