金相場「2700ドル前半」でもみ合いか、中国購入再開と米利下げペース減速の強弱材料交錯Photo:PIXTA

米大統領選挙前の先行き不透明感の高まりなどから金相場は10月に史上最高値を更新した。大統領選挙の結果が確定した後は、中国人民銀行をはじめとする公的部門の購入など買い材料と、米国利下げペース鈍化などの売り材料が交錯し、しばらくはもみ合いが続きそうだ。(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

2024年に2700ドルを突破
2800ドルに迫る

 金相場(現物、出所:LSEG)は、9月中旬に1トロイオンス当たり2600ドル、10月中旬に2700ドルを突破し、同月下旬には2800ドルに迫った。米大統領選でのトランプ氏の圧勝が金相場には弱気材料になり、2500ドル台まで下落したが、足元にかけて2700ドル台に持ち直して推移している。

 次ページでは、史上最高値の更新が相次いだ今秋からの相場変動を振り返りつつ、25年以降の金相場の先行きを予測する。