「でも、先生は娘に触ったんですよね?」――母親のその一言で、教師の説明は止まった。階段でふらついた女子生徒を支えるため、とっさに伸ばした手。転倒を防ぐための行為だったはずが、保護者にとっては「娘を傷つけた出来事」として受け止められていた。安全確保と配慮、善意と受け止め方。その間に横たわる深い溝は、いまの学校現場が抱える難しさを象徴している。作家・西岡壱誠氏が各地の中学校や高校の教育現場で見聞きした実例をもとに、教師と保護者の対話がなぜすれ違うのかを考える。※本稿は、作家の西岡壱誠『カスハラ化する保護者たち』(星海社)の一部を抜粋・編集したものです。
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