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「話を聞かない」「何度言っても伝わらない」。学校現場では今、子どもへの対応に悩み、心身をすりへらす教師が増えている。公認心理師の川上康則氏は、その背景には教師個人の力量だけではなく、「ちゃんとさせなきゃ」という学校特有の空気があると指摘する。“あるべき姿”を求め続けるうちに、教師も子どもも追い詰められていく。※本稿は、公認心理師の川上康則『教師の流儀 正解のない問いを考える』(エンパワメント研究所)の一部を抜粋・編集したものです。
人の焦りは現状と期待との
ギャップによって生じる
本来は、子ども思いのとても温かい先生なのに、時々、子どもの行動がどうしても許せなくなり怒鳴ってしまう人がいます。
そんな先生のほとんどが、頭では「感情的になるのは良くない」と分かっているつもりなのに、「もういい加減にしてよ」という気持ちが積み重なり、我慢できずについ大きな声を出してしまうと言います。
そして冷静になると「しまった。またやってしまった」とか「ごめんね。もっとあなたに寄り添うはずだったのに」という気持ちが急に襲ってくるとも本音を漏らします。さらに「あ~、このままじゃダメだ」と自分を否定する気持ちにも悩まされると話してくれます。
一生懸命だからこそ、いたらなさやもどかしさから自分を責めるようなジレンマに陥ってしまう……。一生懸命な人ほど、苦しいのです。
そんな先生たちの背景には必ず「焦り」があります。
人の焦りは、「現状」と「こうあるべき」という期待とのギャップによって生じます。
具体的には、以下の三つのシチュエーションです。
(1)今の自分が、理想とする自分に達していない
(2)目の前の状況が、目指したい状況に届いていない
(3)あるがままの姿が、あるべき姿と程遠く感じられる







