自立走行するAI清掃ロボットと人の協調により日本の清潔さのスタンダードを作る

AI(人工知能)ロボットの進出は、製造現場にとどまらない。ソフトバンクロボティクスは、人型ロボット「Pepper」に続き、AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」を世に送り出した。その潜在能力をいち早く見抜き、パートナーとなったのが清掃業界大手のダスキンだ。清掃ロボットは人手不足に悩む業界の救世主になるだろう。

 どの業界でも人手不足は深刻だが、とりわけ悲鳴を上げているのが清掃業界だ。厚生労働省の資料によれば、ビル・建物清掃員の有効求人倍率は高い水準で推移している(下左図参照)。その一方で、衛生的に快適に過ごせるよう管理・運営しなければならない建築物衛生法の適用対象となる特定建築物(デパートや店舗、事務所、ホテル・旅館など)の数は年々増え続けている(下表参照)。すでにビルクリーニングに関して人材の確保が困難な状況に陥り、業務を適正に行うために、1人当たりの作業負担が増加している現状がうかがえる。

 業界大手のダスキンの藤岡利義・訪販グループ戦略本部長は、「(事業所の清掃という)お客さまの課題を解決するサービスを提供させていただこうとしても、現場のサービススタッフを確保しにくく、結果的にお客さまにサービスをお届けすることが難しくなっています」と苦渋の思いを語った。

人手不足と低賃金が
解消できない清掃業界

 人手不足の背景には、二つの大きな要因がある。まずは労働集約的な清掃業への就業が敬遠されていることだ。

 少子超高齢化による人口減少がいわれる中で、完全失業率は年々低下し、2018年の就業者は、6664万人と6年連続増加している(総務省「労働力調査2018年」)。数字を押し上げているのは、65歳以上の高齢者と女性の増加だ(下右図参照)。また、正規従業員が対前年比で53万人増に対し、非正規従業員は同84万人増えている。これだけ労働力人口が増えているにもかかわらず、清掃業には人が集まらないのである。

 もう一つは、発注元によるコストダウンの要求。清掃業務は人力が中心なので、人件費に大きく影響する。

「われわれもなんとかしなければといろいろな策を検討していたときに、AI清掃ロボット『Whiz(ウィズ)』のお話を頂きました」

 清掃業界でも効率的に清掃するために、さまざまな方法や機械の導入などが進んでいる。その中で、藤岡本部長を感激させたのは、「Whiz」を提供するソフトバンクロボティクスの吉田健一常務の言葉だった。

「このままでは、“日本のきれい”が危うい。『Whiz』を活用して、“日本のきれい”を一緒に創っていきませんか」

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