「自分のアタマで考える力」を伸ばす親の習慣ベスト4Photo: Adobe Stock

16万部のベストセラー『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(ダイヤモンド社)が話題だ。
「コミュニケーションの取り方」から「家での勉強のしかた」「遊び」「習い事」「ほめ方・叱り方」「読書」「英語」「スマホ対策」「ゲーム対策」「食事」「睡眠」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー。実際に何をどうしてあげればいいのかということまで丁寧に落とし込んでいる。
今回、その著者、加藤紀子氏と、シリコンバレーで最も有名な教師とも言われるエスター・ウォジスキーの著書『TRICK──スティーブ・ジョブズを教えYouTube CEOを育てたシリコンバレーのゴッドマザーによる世界一の教育法』(文藝春秋)を翻訳した関美和氏とで、子育て対談が実現した。いまの時代に大切な子育ての方法とは?(構成:小川晶子)
>>前回記事「『ゲームおしまい!』と何度言ってもやめない子に効く意外なセリフ」はコチラ

「最新情報」を整理したかった

関美和氏(以下、関) 『子育てベスト100』は、「どこから読んでもOK」「全部できなくてOK」「すぐに効果が見えなくてOK」と最初に書いてあって、もう子育てを終えた私は「よかった……!」と思いました(笑)。できなかったことだらけなので、「これをやらないとダメ!」と書かれていたらつらくなっていたかも。

加藤紀子氏(以下、加藤) 私自身もそうです。関さんも私も、スマホが行き渡る前の子育てで、まだそれほど情報が多くなかったと思うんです。

 でもいまは子育て関連の動画やネットメディアもたくさんあるし、個人がSNSで発信もしているし、情報が多すぎて、情報におぼれている親御さんが多いという実感がありました。

 時代の変化で、「求められる力」が変わってきていることもあり、一度、子育てに関する大事な情報を厳選してまとめたかったんです。この本を「レファレンスブック」と表現してくれた友人がいるのですが、「こういうときどうしたらいいだろう」って思ったらすぐに調べられて、いますぐできることが書いてあるという感じです。

 全部やらなきゃいけないなんていうことはなく、1つでも2つでも、気になるものを実践するだけで、親子で楽になれるきっかけになったらと思って書きました。

「自分のアタマで考える力」を伸ばす親の習慣ベスト4

 私は100のメソッドのうち、とくに「根拠のない自信をつける」「読み聞かせをする」「型にはめない」が印象に残りました。というのも、自分ができていたと思ったのがこの3つだけだったからなんですが(笑)。ああ、これはよかったなぁと思いました。

加藤 創造力を育むには、「型にはめない」ことは大事ですよね。親の一方的な基準で選択肢を限定したり、親が代わりに決めたりしていると、子どもの可能性にフタをしてしまいかねません。『TRICK』の中でエスターさんがおっしゃっていることと共通するように思います。

 親はつい口出ししたくなるものですが、そこをぐっとこらえて見守る。『子育てベスト100』では「答えを教えない」というTIPSを紹介しています。

 これは「自分のアタマで考える力」をつけてあげるにはどうすればいいかという項目の1つなんですが、ほかに「質問させる」「あえて反論をする」「自分でルールを考えさせる」がベスト4のTIPSです。

 なんでもつい教えてあげたくなってしまうものですが、あえて子どもに考えさせるということが大事なんですよね。自分で質問したがらないようだったら、「どう思う?」って振ってあげたり、子どもの考えとは真逆のことを言って、考えるきっかけをつくってあげたり。

「自分でルールを考えさせる」というのは、たとえば、子どもがゲームばかりしているというときに、強制的にやめさせるのではなく、自分でルールを考えさせるというものです。自分で考える力にもつながりますし、自分で納得できたほうが行動を変えやすくなるんです。
>>対談次回に続く