「仕事運」「金運」「恋愛運」「健康運」ほか、「21のご利益」の組み合わせからあなたの願いが叶う神様が見つかるかも! 八百万(やおよろず)の神様から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。さぁ、本を開けば、あなたが気になる神様がいるはず。それが今、必要としている神様かもしれません。

約1万年以上前にはすでに存在していた神様とは?Photo: Adobe Stock

一万年前から祭られる縄文の神

約1万年以上前にはすでに存在していた神様とは?トヨクモノ
イラスト/朝倉千夏

 トヨクモノ(豊雲野)は、神話で登場以外は何もせず、祭る神社も少ないですが、雲の神と推測されます。古事記ではクニノトコタチの次の7番目に登場する独神で、すぐに身を隠しました。日本書紀ではクニノトコタチ、クニサツチに次いで3番目に登場。やはり特に何もせず身を隠しました。

 有名な人が信仰したとか、各地で祭られているとか、すごい逸話があるわけでもない。その地味にも見える神様を本書でご紹介するのは、今から約一万年以上前にはすでに存在していた「とてつもなく長続きしている神様」だからです。

 トヨクモノを祭る神奈川県伊勢原市の比々多(ひびた)神社は、一万年以上前から信仰の場所として存在していたとか。神武天皇の時代には、すでにトヨクモノを祭る長い歴史があったようで、トヨクモノは縄文の頃からの神でしょう。

 トヨクモノを信仰した例をあげると、北条早雲に滅ぼされた相模三浦氏がそうで、戦国時代にほぼ消滅します。三浦氏の子孫は守護大名から百姓に転落しますが、これで終わらず、江戸で150年浪人を続けて徳川家の旗本と交友関係を広げます。結果、旗本に取り立てられ、従五位下相模守にまで復活しました。

 地味でしょう。でもおそろしく粘り強く、あきらめない継続力があります。多くの人は、天下を取ることなく、平凡な人生を歩みます。でもこの平凡を維持するのもなかなか大変なのは、読者の皆様はご存じでしょう。平凡に人生を歩み続けること、無事に生きることは、幸せなことだし、価値のあることです。トヨクモノはそんな「平凡に幸せに生き続けること」をサポートしてくれるでしょう。

 かつて、ある2つの大きな神社のどちらを相模国の一宮(筆頭の神社)にするかで争いがありました。これをトヨクモノが「決着は翌年に」の一言で仲裁したとか。争いをまとめるのも、トヨクモノのご利益です。

【主なご利益】家内安全、健康長寿、心身健全

【こんな人にオススメ!】
表に出ず秘かに活躍する人。平凡が一番いいと感じている人