私たちの生活には、いろいろなところで神様の存在を感じられることがあります。身近なところでは、「初詣」。受験生なら「合格祈願」。ビジネスパーソンなら「商売繁盛」。名だたる経営者も、日本の歴史をつくった戦国大名や歴代天皇も、神様を信仰し、力を借りて成功を収めてきました。漫画やゲームのキャラクター名でつかわれていることもあります。もしかしたら、ヒットの要因は、神様のご利益かもしれませんね。
日本には、八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。膨大な神様の中から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。
今回、紹介する神功皇后は、前回登場した八幡神(応神天皇)の母です。卑弥呼説があるほど、日本史上最強の女帝として、知られています。信者数ナンバーワンの神なので、皆さんも覚えておいて損はないでしょう。

邪馬台国の女王・卑弥呼説がある、明治政府の顔ともなった最強の女帝Photo: Adobe Stock

日本史上初めて紙幣の顔になった最強の女帝

邪馬台国の女王・卑弥呼説がある、明治政府の顔ともなった最強の女帝神功皇后
イラスト/朝倉千夏

 本書で一番多く登場している人物です。日本史上初めて外国に遠征した将軍は妊娠中の女性で、出産を遅らせるために、陰部に石を挿入し、腹に石を当てサラシを巻いていたと聞いたら、ドン引きでしょうか。サラシを巻いたレディースではありません。時の最高権力者で、コトシロヌシや住吉三神ら多くの神々を降ろす巫女の神功皇后です。お腹の中の胎児は「胎中天皇」で、日本史上初めて胎児で天皇になる応神天皇、のちの八幡神です。

 神功皇后は、夫の仲哀天皇の死後、日本史上初の摂政(せっしょう)として天皇の代わりに政治を行います。名はオキナガタラシヒメ(息長帯姫)ともいいます。

 間違いなく「日本史上最強の女帝」でしょう。清和源氏を武士で最高の家にした八幡太郎こと源義家をはじめ、数多くの武士に信仰されました。「日本史上初」がたくさんある神功皇后ですが、明治時代、日本史上初めて紙幣の顔になります。当時は日本銀行券ではなく政府紙幣で、一円札の肖像になりました。つまり、「明治政府の顔」です。

 日本書紀では、邪馬台国の女王・卑弥呼が、神功皇后かのように匂わせています。卑弥呼の正体最有力でしょう。

 神功皇后は八幡神で、住吉三神と共に祭られ、夫婦神です。そのご利益も「八幡神+住吉三神+男女関係」とオールマイティですが、目的のためなら、何が何でもやりきってしまう「強い気持ち」を養ってくれます。一番になりたい人、トップになりたい人におすすめです。何といっても、信者数はナンバーワンで、ご利益を実感した人が最も多いことを表します。

 八幡神としては、総本宮の宇佐神宮(大分県宇佐市)、石清水八幡宮(京都府八幡市)、筥崎宮(福岡市)の三大八幡をはじめ、大抵の八幡神社で祭られています。ここでは紹介しきれないほど多くの神社で祭られ、神としても最強の女帝です。

【主なご利益】仕事開運、必勝祈願、安産祈願

【こんな人にオススメ!】
一番を目指す人。トップになりたい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。