「仕事運」「金運」「恋愛運」「健康運」ほか、「21のご利益」の組み合わせからあなたの願いが叶う神様が見つかるかも! 八百万(やおよろず)の神様から100項目にわたって紹介する新刊『最強の神様100』には、古代から現代まで、めちゃくちゃ力のある神様が登場します。最強クラスの神様なので、ご利益も多種多様。さぁ、本を開けば、あなたが気になる神様がいるはず。それが今、必要としている神様かもしれません。

【出雲大社の神様】いじめられっ子から王になった日本のスーパーヒーローPhoto: Adobe Stock

愛し愛され、豊かな関係をつくる

【出雲大社の神様】いじめられっ子から王になった日本のスーパーヒーローオオクニヌシ
イラスト/朝倉千夏

 アヂスキタカヒコネ、シタテルヒメ、コトシロヌシの父親であるオオクニヌシ(大国主)は、日本神話を代表する英雄で、日本国をつくった神と言われます。といっても、「国よあらわれろ」と命じて国ができたとかイージーなものではありません。最初はいじめられっ子からのスタートで、そこから女の子を助けて結ばれ、それをいじめっ子の兄弟たちにねたまれて殺され、死から奇跡の復活。数々の試練に打ち勝って強い力を獲得し、たくさん恋をし子どもをつくり、友と出会い別れ、豊かな国をつくり、最後にあの世を治める神となります。

 その様子は少年漫画の主人公のようで、挫折や葛藤を経験しながら、努力し成長して、国の王に、そして神になるのです。オオクニヌシは決して敵をバッタバッタと倒す「強い神」ではありません。やさしく親切で、老若男女問わず愛され助けられます。

 オオクニヌシの神社といえば、島根県出雲市の出雲大社(一般に、いずもたいしゃ)。第11代・垂仁天皇の御代に創建された縁結びの聖地ですが、参拝したら、むしろバッサバッサ縁を切られて、ご不満な人たちにちょくちょくお会いします。我が事を振り返ると、「愛されたい」「ああしてほしい、こうしてほしい」―そんな思いで参拝すると、縁を切りたくないのに、あっさり縁切りが起こります。逆に、ただ「愛したい」「貢献したい」思いでいると、即座に縁結びが起こるようです。後悔しない縁結びをしてくれるのです。

 つまり、オオクニヌシのご利益は、より人を愛し、より人に親切になること。愛し親切にすることでできる人の輪が根幹となって、豊かな家・まち・国がつくられます。

 オオクニヌシの真骨頂は、国を譲った神話。豊かな国をつくったら、「その国を譲れ」と要求されたのだから無茶な話ですが、この国譲りがお手本となって、日本国では権力交代のたびに王家を滅ぼすことがなくなり、天皇家は世界最古の王室となりました。

 各地の出雲大社の他、札幌市の北海道神宮、東京府中の大國魂神社などがあります。

【主なご利益】立身出世、仕事開運、良縁成就

【こんな人にオススメ!】
周りと一緒に豊かになりたい人

*本原稿は、八木龍平著『最強の神様100』からの抜粋です。