超高齢社会へ突入し、高齢者向けの住まいの不足が問題となる中、政府が供給促進を図っているのが「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」だ。注目が高まるサ高住とはどのようなものなのか、施設との違いは。サービス付き高齢者向け住宅協会の奥村孝行氏に話を聞いた。

サービス付き 高齢者向け住宅協会
事務局長 奥村孝行氏

「日本では1990年代から、特別養護老人ホームなどの高齢者向け“施設”の整備を行ってきました。その結果、65歳以上の全高齢者人口に対する介護施設の定員数の割合は約3.5%となり、これは欧米諸国と比べても遜色ない水準に達しています。

 一方、高齢者向けの“住宅”の割合は0.9%で、欧米諸国と比べて立ち遅れています。今後高齢化が急速に進む中で、自立して暮らす高齢者のための住宅を早急に整備する必要があり、そこで以前からあった「高齢者専用賃貸住宅の登録制度」などを見直し、基準を厳しくしてスタートしたのが『サービス付き高齢者向け住宅』制度です」

 サービス付き高齢者向け住宅協会事務局長の奥村孝行氏はそう語る。

※1 シルバーハウジング、高齢者向け優良賃貸住宅、有料老人ホームおよび経費老人ホーム(軽費老人ホームは2004年) ※2 介護保険3施設およびグループホーム (資料:国土交通省住宅局安心居住推進課「高齢者住宅施設について」)
 
 ※サービス付き高齢者向け住宅に定められた基準
●高齢者にふさわしいハード:一定の面積・設備 バリアフリー構造
●安心できる見守りサービス:ケアの専門家による「安否確認サービス」「生活相談サービス」