鈴木俊典教頭
横浜女学院が目指す生徒像は「多角的かつグローバルな視野を持ち、社会貢献を果たすことのできる生徒」。この方針の下に同校では長年、国際社会に羽ばたく上で欠かせない英語力の向上に注力してきた。
同時に重視するのが、生徒の視野を広げる取り組みだ。鈴木俊典教頭は「知識を詰め込むだけでなく、何のために学ぶか、学びと社会がどうつながっているかを広い視野を持って認識し、学習のモチベーションを高めてもらいたいです」と語る。
こうした思いの下、2025年度から導入されたのが「土曜チャレンジ(ドチャレ)」だ。毎月変わる30以上の講座から好きな講座を選んで学ぶ仕組みで、教科学習の枠組みを超えた多様な講座が用意されている。講師を務めるのは各分野の専門家や卒業生、在校生の保護者だ。
ドチャレで特に反響が大きいのは、国内外の社会課題を扱う講座だという。例えば「人身取引」をテーマとした講座では、同世代の女性たちが非人道的な扱いを受ける現状を学び、この事実を多くの人に知ってほしいと、メンバーを集めて文化祭で発表した生徒もいたという。
「探究がきっかけで、報道によって一層興味が持てるようになったり、英語の必要性に気付いたりすることもあるでしょう。学びのエンジンにつながる出会いを創出することがドチャレの目指すところで、すでに効果は大いに出始めていると感じています」(鈴木教頭)
社会課題を知識で
終わらせずに体感する
高1・高2で希望者を募って行う「スタディツアー」も学びのエンジンにつながる仕掛けの一つ。国内外でさまざまな人や文化と出合い、時には地域の抱える諸問題と向き合うプログラムだ。
例えば、長崎県の対馬スタディツアーでは、海岸の漂着ごみの清掃や過疎化で増える耕作放棄地の開墾に、生徒が参加した。
「ごみのリサイクルの難しさ、開墾の苦労など、現地を目の当たりにして当事者に話を聞いてみなければ分からないことはたくさんあります。実際にごみが山積みになった海岸を見たときには生徒たちも衝撃を受けていて、中には『社会課題の解決には理系の知識が必要だと感じた』と、進路を見直す生徒もいたほどです」(鈴木教頭)
この例に限らず、社会課題と接する上で理系分野の知識は欠かせない。同校では近年、理系の難関大学の志望者や進学者が増えていることもあり、理数教育をより充実させるため、27年度から「サイエンスクラス」を導入予定だ。従来ある主要5教科を緻密なカリキュラムで学ぶ「アカデミークラス」と、語学を軸に国際的視野を広げる「国際教養クラス」の2コースに、新たな選択肢が加わることになる。
「誰もが知的好奇心を広げることができるよう、実験やフィールドワークを盛り込んだワクワクするようなプログラムを計画しています」と鈴木教頭。同校のネクストステージに注目だ。
横浜女学院中学校 高等学校
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