西久保栄司校長
2026年度は前年比で中学が約4割、高校も約3割生徒が増えて、大所帯となった武蔵野。高校授業料無償化の影響も少なからずあるとはいえ、この数字には目を見張るものがある。「本校が長年続けてきた教育活動を、多くの方に評価していただけた結果と受け止めています」と語るのは、西久保栄司校長だ。
同校の教育活動のベースにあるのは「他者理解」の校訓。価値観や背景の異なる他者を理解し、共に生きていく力を育てたいという強い思いが込められている。一朝一夕に身に付くものではないが、実社会では確実に求められる精神であり、武蔵野の生徒たちは、学校生活の中でじっくりと体得していく。
まずはきちんと学校に来て、生活リズムを確立することからそれは始まる。「すぐに学校を休まない」「時間を守る」「あいさつをする」――といった、ごく当たり前のことを当たり前にできるようにしていくところから生徒に呼び掛けていく。
授業では、対話や協働的な学びを重視。また、部活に参加して、縦横にさまざまな人間関係を構築することも推奨する。
「なるべく多くの場面で他者と関わり、相手の立場になって考えることを学びながら、同時に協調性や責任感なども身に付けてもらう」(西久保校長)
こうした取り組みは着実に実を結んでおり、入学したての頃はあいさつが苦手だった生徒も、学年が上がるにつれ、見違えるほど成長する。それを実感できるのが学校説明会や文化祭。
「お客さまを案内しながら校内の説明をする役を生徒にお願いするのですが、相手が何を知りたいか、どんな言葉で伝えるのが適切かなどを考えるこのアテンド役は、まさに他者理解の力が試されるとき。多くの生徒が積極的に取り組んでくれて頼もしいと感じますし、おかげさまで受験生と保護者からも評判がよく、今では本校の名物のようになっています」(西久保校長)
自習室は21時まで
学びを特別なものにしない
一方で“進路を実現する力”の向上にも力を注ぐ。特に英語教育を大切にし、中学では週10コマの英語授業のうち、6コマをネイティブ講師によるオールイングリッシュのスタイルで実施。中学で初めて英語に触れる生徒も、英語のシャワーを浴びながら力を伸ばせる仕組みだ。
高校からは大学受験を見据えたステージへ。授業の後に受験対策講習を行うほか、論文指導や面談などのフォローも手厚い。校内には進学情報センターが設置されていて、その中に21時まで開放された自習室がある。
塾に行くなどの選択肢もあるが「校内に環境を整えることで、学びを“特別なもの”ではなく、日常の一部にしてほしい」と西久保校長。実際、部活後に自習室で勉強することを習慣付け、学力を伸ばす生徒も多いという。
当然、こうした環境面の充実ぶりも同校の教育に信頼が寄せられる理由の一つ。武蔵野の快進撃はまだまだ続きそうだ。
