桜丘では、入試スケジュール・偏差値・合格実績などをまとめた「秘伝の書」と呼ばれる受験戦略の冊子を作成し、生徒・保護者・教員の3者で共有している。この冊子を基に志望校の選定から出願プランまでを緻密に立てるため、ミスマッチのない受験が可能になる。

「秘伝の書」と呼ばれる、オリジナルの受験戦略の冊子。データの裏付けで合格率を上げる

「一つ上のレベルを狙う受験は、生徒にとって勇気が要ることですが、データを示しながら“十分いける”という後押しができる環境を整えています。また推薦入試を希望する生徒には、担任に加えて、志望分野の専門教員が個別指導に当たる“1対2体制”を導入しています。例えば、英語科を志望する生徒には、英語科の教員が推薦対策を担当し、プレゼン資料の作成や論文の添削、集団討論のシミュレーションなど、放課後の時間を活用してきめ細かな指導を行います」(大友教諭)。25年度には、生徒アンケートで「学習のやり方が分からない」という声が多かったことを受け、大学のランク別・教科別に学習方法をまとめた冊子も作成した。予備校がやるようなことを丸ごと学校内で完結させる、そんなサポートシステムが構築されている。

中3で実施されるキャリアプランプレゼンテーション。保護者に向けて、生徒が自分の進路をプレゼンする

教員がゼロから
組み立てる探究学習

 桜丘では、探究学習のシステムも独特だ。探究科が独立した教科として存在し、専任教員が配置されている。探究学習の目標は大学受験のためではなく、あくまでも生徒たちの知的好奇心を刺激し、学びの面白さを広げることにある。

桜丘中学・高等学校  探究科教科長
中野 優教諭

 探究科教科長の中野優教諭は、「本校の探究学習の特徴は、旅行業者任せにせず、教員が現地を視察しながらゼロから組み立てていることにあります。中2の広島研修では、悲惨な記憶をたどるだけの平和学習ではなく、復興に向けた取り組みを現地企業と連携して検証します。中3の鹿児島研修では、カンパチ漁業体験、鹿児島大学視察、通訳案内士体験など六つのコースを設定しています。漁業体験は現地の漁業組合と交渉し、パブリックビューイングでの“解体ショー”まで実施しました」と話す。

高校の国際教養コースで実施予定の海外探究研修旅行。起業家精神教育の一環でもある

 26年度に高校へ新設された「インターナショナルリベラルアーツ(国際教養)コース」では、カンボジアとフィリピン(マニラ)での2週間の探究活動を予定している。カンボジアでは現地の若者と共に村の再建事業に参画し、マニラでは現地の高校生と連携して格差社会について探究する。

探究科専任の教員がゼロから組み立てる研修旅行

 こうした探究活動は、桜丘が推進する「起業家精神教育」にもつながっている。自ら課題を発見し、解決する力を育む――これからの時代を生き抜くための教育だ。