ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
週刊・上杉隆

WBCを興ざめさせる、米国のための不公正な組み合わせルール

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]
【第70回】 2009年3月19日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 ワールドベースボールクラシック(WBC)が盛り上がっている。日本では、連日ゲームを放映しているテレビ局が、高視聴率をたたき出し話題になっている。イチロー、松坂大輔などのメジャーリーガーが、「日の丸」を背負って戦うとなれば、そうした興奮は当然なのかもしれない。

 しかし、小学校6年間、寝食を忘れるほどの野球少年だった筆者は、どうしても興奮できない。その原因のひとつは興ざめな組み合わせルールにある。

 きょう(3月18日)、日本は韓国との戦いに敗れて4強入りを逃した。今大会、日本が韓国と対戦したのは、予選をあわせて3回に及ぶ。前回大会を含めれば、実に6回。なぜこうも同じ国同士がぶつかるのだろうか。

 じつはそれも当然なのだ。世界16ヵ国・地域で争われるWBCは、組み合わせの不備によって、最初から、同じチームと何度も対戦することが運命付けられているのだ。

 イチロー選手が「別れた恋人と街でばったり再会した感じ」と揶揄したのも、そうした運営方法にある。

 選手も指摘するこの不公正な組み合わせルールに、筆者のしらけの最大の要因がある。

米国が決勝まで
強豪と対戦しない仕組み

 スポーツは公平なルールのもと、同じ条件で実施されるから面白い。一定のチームが有利になるようなことになれば、即、楽しさは半減する。まさに、WBCに抱く不信感はそうした不公正な条件を抱えていることにある。WBCの公式サイトによれば、今回の組み合わせルールも、前回とほぼ同様、次のようなものになっている。
http://web.worldbaseballclassic.com/

 まず、16の国・地域を4チームずつの4組に分けて、4つの地域(日本、カナダ、プエルトリコ、メキシコ)で第1ラウンドを行なう。その各上位2チームが、つまり、合計8チームが米国で行なわれる第2ラウンドに進む。そこから4チームずつの2リーグに分かれて戦い、それぞれの上位2チームが決勝トーナメントに進出する。決勝の4チームで準決勝、決勝を行い優勝を決めるというものだ。

 疑義があるのは第2ラウンドの組み合わせルールだ。開催地が米国で固定されているのは仕方ないとしても、第一ラウンドでの対戦プールまでも固定してしまっているため、米国は、日本、韓国、キューバなどの強豪と決勝まで顔を合わせることがない。つまり、米国が、ほとんど無条件で決勝まで進出するようにあらかじめ運営されている、それがWBCなのだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR


おすすめの本
おすすめの本
宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く

「お腹の調子が悪い」と政権を投げ出した安倍首相。「あなたとは違うんです」と逆ギレして職を辞した福田首相。そして漢字と空気が読めず政権崩壊寸前の麻生首相。この国の政治の混迷とメディアの体たらくを上杉隆が斬る。1500円(税込)

話題の記事

上杉 隆 [(株)NO BORDER代表取締役]

株式会社NO BORDER代表取締役。社団法人自由報道協会代表。元ジャーナリスト。1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局記者、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者、フリージャーナリストなどを経て現在に至る。著書に『石原慎太郎「5人の参謀」』 『田中真紀子の恩讐』 『議員秘書という仮面―彼らは何でも知っている』 『田中真紀子の正体』 『小泉の勝利 メディアの敗北』 『官邸崩壊 安倍政権迷走の一年』 『ジャーナリズム崩壊』 『宰相不在―崩壊する政治とメディアを読み解く』 『世襲議員のからくり』 『民主党政権は日本をどう変えるのか』 『政権交代の内幕』 『記者クラブ崩壊 新聞・テレビとの200日戦争』 『暴走検察』 『なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか』 『上杉隆の40字で答えなさい~きわめて非教科書的な「政治と社会の教科書」~』 『結果を求めない生き方 上杉流脱力仕事術』 『小鳥と柴犬と小沢イチローと』 『永田町奇譚』(共著) 『ウィキリークス以後の日本 自由報道協会(仮)とメディア革命』 『この国の「問題点」続・上杉隆の40字で答えなさい』 『報道災害【原発編】 事実を伝えないメディアの大罪』(共著) 『放課後ゴルフ倶楽部』 『だからテレビに嫌われる』(堀江貴文との共著)  『有事対応コミュニケーション力』(共著) 『国家の恥 一億総洗脳化の真実』 『新聞・テレビはなぜ平気で「ウソ」をつくのか』 『大手メディアが隠す ニュースにならなかったあぶない真実』


週刊・上杉隆

永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。
2011年12月終了、後継新連載「週刊 上杉隆」はこちら

「週刊・上杉隆」

⇒バックナンバー一覧