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震災を乗り越えたシングルマザーの挑戦
レック社長 高橋泉

週刊ダイヤモンド編集部
【第24回】 2008年3月21日
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レック社長 高橋 泉
レック社長 高橋 泉

 1995年、阪神・淡路大震災で被災。独立開業したレンタル衣装店舗、美容サロンのすべてを失った。このとき高橋泉、34歳。28歳で離婚し、双子の子どもを育てるために地元神戸で立ち上げた事業が軌道に乗った矢先だった。

 街も店も壊滅。途方に暮れるも、ショックを受けているだけでは生きていけないと奮起。「道は開ける」と信じ、前々から事業化を考えていた「婚礼用デザインアルバム」に挑戦した。

 台湾で行なわれているサービスにヒントを得た。新郎新婦に密着して撮影し、ストーリー性のあるアルバムを作り上げる。集合写真や新郎新婦が並んだツーショットといった、いわゆる型物写真よりも、思い出に残り、喜ばれると考えた。

 しかし、当時の日本は、型物写真が常識。結婚式場内のスタジオにデザインアルバムの制作を営業しても、「邪道だ」と追い返され、相手にされなかった。カメラマンが一日密着して1冊14万円ほど(当時)で販売するデザインアルバムは、婚礼写真で食べてきたスタジオにすれば、手間がかかって利益率が低い。ワンポーズ撮影で2万~3万円を稼いできた市場に乱入する破壊者に映ったのだろう。

 1年間、ひたすらスタジオへの営業を続けたが、成果は得られず。お客へ直接アプローチする方法に切り替え、結婚情報雑誌に広告を掲載した。すると大反響。式場内のスタジオを頼らずに自前でカメラマンを集め、式場やホテルと直接契約した。デザインアルバム事業は瞬く間に全国へ広がった。

 事業は急拡大。一時のブームに終わらず、婚礼写真の主流を型物からデザインアルバムへとひっくり返した。2007年度の事業売上高は30億円。年3万5000冊を制作し、競合参入を受けながらも市場シェアトップを誇る。

 「できるんだ、私たちでも」

 神戸でひっそりと立ち上げたビジネスが、日本の市場を変えていく手応えに興奮を覚えた。震災で失った自信を取り戻し、次の挑戦につなげた。「小さな結婚式」ビジネスである。

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