9月16日、民主党・鳩山由紀夫代表が、衆参両院で第93代内閣総理大臣に指名された。鳩山首相は記者会見で、「日本の歴史が変わるという、身震いのするような感激と大変重い責任を負った。この国を本当の意味での国民主権の世の中に変えていかなければならない。そのための先頭を切って仕事をさせていただく」と、政権運営への決意を述べた。

政権運営への決意を述べた注目の3大臣。左から、前原国土交通相、小沢環境相、仙谷行政刷新相。

 鳩山首相が掲げる「脱官僚依存・政治主導」は実現できるのか。その成否は、新たに選ばれた17人の新閣僚ひとりひとりの手腕にかかっている――。われわれ「追跡!AtoZ」では、3人の重要閣僚に注目した。

政治主導をどう実現させるか?
注目の3大臣が語る

 公共事業見直しや高速道路無料化に取り組む、前原誠司・国土交通相。思い切った温暖化対策の先頭に立つ、小沢鋭仁・環境相。そして、税金のムダ使いを一掃することを目的に設立された新組織「行政刷新会議」を担当する、仙谷由人・行政刷新相。

 鳩山政権は何を目指すのか、その決意と展望について3大臣に生放送で聞いた。“政治主導”を具体的にどのように進めていくか。私たちの問いに、3人の大臣はそれぞれ、自らの考えを披露した。

「相次ぐ官僚の不祥事や天下り問題等で失った国民の信頼を回復したい」と語る仙谷大臣。脱官僚・政治主導型政策の要となる「行政刷新会議」を率いることになる。

 まず、仙谷行政刷新相は、「官僚のやっている仕事が国民の目から見てどのように見られているかだ。過去にいろんなことが起こっている。公益法人をめぐる問題でも新聞に出ない日はない。“きれいな体”にならないと何を言っても信頼されないから、みんなでいっぺんシャワーを浴びよう」と職員への挨拶で伝えたと述べた。

「官僚を批判するだけではなく、それを見過ごしてきた政治の責任を今こそ果たしたい」と語る前原大臣。早速、地元からの反発を受けている「八ツ場ダム」問題をどう解決するのか。

 次に、前原国土交通相は、「行政の“無謬性”と闘っていくことが大事だ。官僚たちは、自分たちは間違ったことはやっていないと思っている。ダム計画は30年、40年前から計画を立てて、まだ完成していない。その間に社会状況は変わっているので、本来なら見直しをして変更しなければならない。それは、官僚を批判するだけではだめで、見過ごしてきた政治の責任もある。政権交代という節目で、リーダーシップを果たしていくことが政治主導の大きな役割だ」と述べた。

「環境分野でもビジョンを示し、リーダーシップをとっていきたい」と語る小沢大臣。「1990年比25%削減」という大胆な目標を打ち出したが、環境対策を経済成長と結び付けられるか、早速手腕が問われる。

 そして、小沢環境相は、「国民の皆さんは、『政治家がリーダーシップを果たせずに、官僚に操られている』と思っている。政治家がしっかりしたビジョン・道筋を示すことが大事だ。環境の分野でも、民主党のマニフェストにはビジョンを明快に示している。これを加速していく」と述べた。

早速、地元からの反発も。
「八ツ場ダム建設中止」問題

 民主党がマニフェストで掲げる『大型公共事業の見直し』。その象徴となっているのが、群馬県長野原町で建設が進められている八ツ場(やんば)ダムだ。総事業費4600億円の八ツ場ダムを、前原国土交通相は就任直後に「中止する」と発言した。しかし、この方針に対しては地方自治体や住民から批判の声も上がっている。