列車に乗ること自体が旅の目的となるようなグリーン車の中でも、コストパフォーマンスが良くて、快適性の高い列車・車両を5つ紹介しよう。(ライター 前林広樹)
列車ごとに仕様の異なるグリーン車
追加料金でさらに凄い座席に乗れる!
一般的にグリーン車といえば、新幹線をイメージする人が多いだろう。あるいは、特急や首都圏の普通列車に設けられる「ちょっとぜいたくな座席」というイメージか。
ひとくちにグリーン車といっても、実は地域や列車ごとに仕様は大きく異なる。特に特急車両だとそれは顕著に表れる。
新幹線およびJR東日本やJR東海の特急列車のグリーン車は、左側・右側とも2席ずつが主流だ。在来線特急だとシートピッチは広いが、座席配置は普通席と同じで、特に古い車両だと「特別感やお得感が乏しいなあ」と感じる。
一方で、JR北海道、JR西日本、JR四国、JR九州のグリーン車は特別感やお得感が強い。国鉄からJRに民営化されて以降、2+1人掛けの3列配置が増え、明らかに普通車とは異なるぜいたくな仕様の車両が増えている。座席間隔も車両によって大きく異なり、列車によって広い・狭いが分かれる。
また、グリーン車にさらに追加料金を払うことで、より豪華な座席を楽しめるタイプも出てきている。列車に乗ること自体が旅の目的となるようなグリーン車の中でも、コストパフォーマンスが良くて、快適性の高い列車・車両を5つ紹介しよう。

E653系1000番台(「いなほ」など)
シートピッチは普通車2席分に匹敵
まず紹介するのは、E653系1000番台の1号車に半分だけ設けられているグリーン車だ。この車両はかつて勝田車両センターに在籍し、常磐線の特急「フレッシュひたち」で使われていたもの。E657系への置き換えに伴い新潟車両センターに転出した。