誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

要求

【精神科医が教える】無意識に他人を息苦しくする人の共通点『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)より
相手への要求が満たされると、
今度はそれが当たり前になるわ。
そして、相手への要求水準が
一つ上がってしまう。

相手はどんどん息苦しくなるし、
自分も要求が満たされないことが増えて
ストレスになる。対策としては
・常に感謝すること
・要求水準をあげていかないことね。

要求が叶うと、それが“基準”になってしまう

 誰かに何かをしてもらったとき、「ありがとう」と思っていたはずなのに、いつの間にかそれが“当たり前”になっていくことは、ありませんか?

 人間は、満たされた瞬間にその状態を基準にしてしまう性質があります。そして、その基準をもとに、さらに上の期待や要求を抱くようになるのです。

要求が積み重なると、関係は息苦しくなる

 最初は喜ばれていた行動も、次第に「やって当たり前」になってしまうと、相手はプレッシャーを感じるようになります

 期待がプレッシャーに変わると、関係はどんどん息苦しくなり、自分自身も「満たされない」ことに不満を感じるように。まさに、ストレスの悪循環が始まってしまうのです。

感謝が、心のバランスを取り戻す鍵

 この悪循環を防ぐためには、「してもらったこと」への感謝を忘れないこと。そして、「もっと」を求める前に、今の幸せにしっかり目を向けることです。

 感謝の気持ちは、相手の心を軽くし自分の心にも余裕をもたらします。

要求水準を上げない、という意識を持つ

「もっとしてくれたらいいのに」ではなく、「ここまでしてくれてありがたい」という視点を持つこと。それだけで、人間関係はぐっと温かく、心地よいものになります。

 満たされることよりも、満たされていたことに気づく心こそ、豊かさの源です。

 もしかしたら、その人はあなたのおかげで力をつけ、自分の足で歩いていけるようになったのかもしれない。そう考えると、その「距離」は悲しいものではなく、成長の証にも見えてきます。

必要とされなくなること=価値がない、ではない

 人との関係性は、常に変化します。以前は必要だった存在が、今は「思い出」として心にある。

 それは、あなたの価値が下がったからではなく、役割がひとつ終わっただけのこと。むしろ、相手が安心して自分の道を歩けるようになったのはあなたがちゃんと力になれた証拠です。

手放すことで見える、新しいつながり

 寂しさにフタをせず、それでも「これでよかった」と受け入れることができたら、あなたの中に新しい余白が生まれます。

 そこには、また新たな出会いやつながりが入ってくる準備ができているのです。失ったようでいて、実は得ているものがある。それが、人間関係の不思議な豊かさなのです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。