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ソニーを抱き込んだグーグルが狙う
テレビの“突然変異”と打倒アップル

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第96回】 2010年5月26日
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 グーグルが、ソニー、インテルなどと組んで、グーグルTVを開発することが話題を呼んでいる。

 この提携が明らかにされたのは、5月20日に開かれたグーグルの開発者会議「Google I/O 2010」でのこと。グーグルCEO(最高経営責任者)エリック・シュミット、ソニーCEOハワード・ストリンガー、インテルCEOポール・オッテリーニのほか、アドビ、ロジテック、家電量販店チェーンのベストバイのトップが勢揃いしてのことだ。グーグルTVに賭ける各社の並々ならぬ意気込みが伝わってくる。

 グーグルTVは、テレビ、あるいはテレビに接続できるセットトップ・ボックスとして発売される。テレビ番組だけでなく、ウェブをブラウズしたり、インターネット・テレビなどを見たりすることも可能。つまり、テレビとコンピュータを掛け合わせ、その両方がリビングルームのゆったりとした環境で視聴できるということだ。

 具体的には、テレビ・スクリーンの上部に検索ボックスがあり、そこに見たいテレビ番組や他のキーワードを入力する。すると、テレビ番組だけでなく、ユーチューブのビデオ、インターネット・テレビなどから関連する動画をリストアップ。それを選んで、すぐさま見られるのだ。

 好きな番組は、アイコンのようにして自分のホームページに並べておくこともできる。そうすれば、番組を探して時間を費やす必要もない。

 グーグルがグーグルTVを投入する狙いは、ふたつある。

 ひとつは、現在のアメリカのテレビ市場があまりに複雑化し、ケーブル・テレビ、衛星テレビなど、何100もあるチャンネルから見たい番組を選ぶことがますます難しくなってきたことだ。アメリカのテレビは、まず表計算ドキュメントのごとき細かい番組表を見ながら、見たい番組を探し出すことから始まる。

 もうひとつの狙いはもちろん、グーグルの広告ネットワークのプラットフォームにテレビ市場を加えることだ。

 グーグルが広告を配信すれば、コンピュータ・ユーザーではないテレビ視聴者にターゲット広告が発信できる上、視聴者のふるまいもアナリティックスなどによって明確に把握できるようになる。広告主にとっては、歓迎すべき動きだろう。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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