誰しも悩みや不安は尽きないもの。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)など、33万部突破シリーズの原点となった『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。心が落ち込んだとき、そっと優しい言葉を授けてくれる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日一日がラクになる!

【精神科医が教える】ちょっと困っていることがあったら…普通の人は「自分で解決しようとする」。では、仕事ができる人はどうする?Photo: Adobe Stock

本当は困っているけれど
言い出せない……

 今日は、「自分が困っていることをちゃんと伝える」というテーマでお話ししたいと思います。

 私自身もよくあるのですが、すごく困っていることがあっても、それを人に伝えるのが難しいと感じることってありませんか?

「こんなこと言ったら、うるさいやつだと思われないかな」とか、「関係が悪くならないかな」とか、いろいろ考えてしまって、結局言えずに終わってしまう。そういう経験、きっと皆さんにもあるのではないでしょうか。

言わなければ
相手には伝わらない

 私もよくモヤモヤを抱えてしまって、ストレスを引きずることがあります。でも、そういうときこそ、やっぱりちゃんと伝えることが大事なんです。

 伝えないままでは、状況は変わりませんし、相手に気づいてもらえることもまずありません。

 ところが、勇気を出して言ってみたら、意外にも相手が「あ、ごめんなさい。全然気づかなかったです」と、すぐに対応してくれることが多いのです。つまり、相手が悪意を持っているわけではなく、ただ単純に気づいていないだけのことがほとんどなのです。

言わない時間がもったいない

 言ってみないと分からないことばかりなのに、言えずにモヤモヤしたままでいた時間って、いったい何だったんだろうと思うことがあります。それならば、もったいないですから、最初から素直に伝えた方がずっといいですよね。

 もちろん、威張って言う必要はありません。謙虚に丁寧に「今ちょっとこういうことで困っているんですけれども」と伝えれば、たいていはうまくいきます。

ネガティブに聞こえることでも
伝える価値がある

 困っていることを伝えるのって、どうしてもネガティブな話になってしまいますよね。それがキツイ言い方になれば、相手にはクレームのように聞こえてしまうこともあります。

 だからといって黙っていても、状況は何も変わりません。むしろ、ちゃんと伝えたほうが、相手との関係性も良くなることが多いのです。

人はみんな自分のことで精一杯

 自分自身を振り返っても、他人の細かな困りごとに気づくのって、難しいですよね。私たちみんな、自分のことで精一杯で、明らかに言われないと分からないことって、本当にたくさんあると思います。

 だからこそ、お店などでも「ご意見箱」なんかが用意されているわけで、それと同じように、私たちも自分の思いをきちんと伝えることが必要なのです。

モヤモヤしているより
伝えてスッキリ

 言いにくいことを黙って抱えるよりも、きちんと伝えて、相手とのコミュニケーションを深めるほうが、ずっと安心できますし、関係性も良くなります。ですから、自分が困っていることがあったら、遠慮せずに伝えてみてくださいね。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。