【2014年度版】
「ふるさと納税」300万円で牛1頭という自治体も!
特典で「牛肉」がもらえる大人気の自治体をまとめて紹介!
焼き肉、しゃぶしゃぶ、ステーキ……食卓に並べば子供から大人まで大喜びする「牛肉」は、「ふるさと納税」でもらえる中でも注目の特典のひとつだ。
特典に「牛肉」を用意している自治体数は全国で50以上。それらの中には普段はなかなか口にできない「日本三大和牛」と呼ばれる「神戸牛」「松坂牛」「近江牛」の超有名ブランド牛のほか、「但馬牛」「十勝ハーブ牛」「山形牛」「淡路ビーフ」など全国各地のブランド和牛の牛肉が「ふるさと納税」の特典としてもらえる自治体も多数ある。
そんな中でも異彩を放っているのが「宮崎県の三股町」。平成26年度の4月から「300万円の寄付で高級宮崎牛1頭分」(約370kg、200万円相当)という、破格の特典を発表して話題になった。宮崎県が大相撲の優勝者に「宮崎牛1頭分」を贈っていることにヒント得て、「ふるさと納税」の特典に追加したのだという。一般人からは少し規格外かもしれない特典だが、驚くことに発表から数日で予定の件数を満たしたために、すでに現在は募集は締め切られている。
この話題だけでも、いかに「ふるさと納税」の特典で「牛肉」が人気になっているかが理解できるだろう。宮崎県三股町の「牛1頭」とまではいかなくとも、全国の多数の自治体が「牛肉」を特典に用意しており、その中にはコストパフォーマンスに優れた自治体を見つけることもできる。
各自治体の自慢の牛肉を家庭で味わうことができ、なおかつ上限と条件はあるものの支払う税金が控除されるのだから、「ふるさと納税」を活用しない手はない!
改めて説明しておくと「ふるさと納税」とは、納税(寄付)した翌年に確定申告をすれば、寄附金控除の適用下限額である2000円を超える部分は、一定の上限まで所得税・個人住民税から全額が控除の対象となる。いくら控除されるかは納税者によって異なるが、例えば控除の対象となる寄付金の上限額が3万円の場合、適用下限額である2000円を引いた額、すなわち2万8000円が控除対象額となる。
つまり、1万円以上の寄付で牛肉をもらえる自治体が3つあるとすれば、各自治体に1万円ずつ寄付をして3つの異なるブランドの牛肉をゲットしても、なんと実質負担額は2000円で済むということ。これはお得すぎる!
そこで今回は前回のお米編に続き、「ふるさと納税」の特典で牛肉がもらえる自治体のお得度をザイ・オンライン編集部が調査してランキングを作成した。
なお、牛肉のブランドや味は、個人の好みに左右される面も大きいので、今回のランキング作成に関しては「寄付金額5000円以上~2万円未満。牛肉を使用した加工品ではなく、冷蔵・冷凍の牛肉がもらえる自治体」が特典でもらえる自治体に絞り、「寄付金額に対してもらえる重量(グラム数)」のコストパフォーマンスの高さを選定基準にした。
それでは、さっそく「ふるさと納税」の特典で牛肉がもらえる、コストパフォーマンスが高い自治体を紹介していこう!
【第1位】1万円以上の寄付で「鷹栖牛」1kg!
雄大な北の大地で育った鷹栖牛を
惜しげもなく大盤振る舞いしてくれる「北海道鷹栖町」
北海道の中央部に位置する「鷹栖町」の大自然のもとで育ったメス牛のみが名乗れる鷹栖牛。
鷹栖町に1万円(実質負担額2000円)を寄付すると、鷹栖牛のバラ、モモ、ウデの3種類、それぞれ500gの中からいずれか2パック、合計1kgを発送(部位の指定は不可)。夏は「焼き肉用」、冬は「すき焼き・しゃぶしゃぶ用」にスライスされたパックを予定しているという。
だが、なんと大人気のために現在は受け付け停止中(鷹栖牛のみ。シカ肉や名産のトマトジュースなど、他の特産品は受付中)! しかし、平成27年1月以降の発送分に関しては、今冬には再開する見通し。詳細は記事の最後にある北海道鷹栖町の「ふるさと納税」担当者への取材で確認してほしい。
もう一つ、同率1位の自治体がある。
【同率1位】1万円以上の寄付で「秋吉台高原牛」1kg!
平成26年度から牛肉の特典を新たに開始!
彗星のごとく現れた太っ腹な自治体「山口県美祢市」
「山口県美祢市」は平成20年度から「ふるさと納税」制度を導入していたものの、牛肉を特典として取り入れるのは今年度から。
新たに牛肉を特典に加える初年度に「1万円の寄付で1kg」という太っ腹具合は、牛肉以外の特典でも現れていて、お米10kg、メロン2個、梨5kgなど、ほかにも魅力的な特典が多数用意されている。
肝心の「秋吉台高原牛」とは、観光地として有名な秋芳洞などがある「秋吉台」でのびのびと育った牛で、脂肪分の少ない赤身が評判。北海道鷹栖町と同じく1万円の寄付で「すき焼き用」の牛肉500g×2パック、合計1kgが特典として受け取れる。1カ月の発送量は20パックまでで、希望者が多い場合は翌月以降の発送となる。
【第3位】1万円以上の寄付で「宍粟牛」850g!
但馬牛の血統を受け継いだ黒毛和牛・宍粟牛の
モモ肉が850gももらえる「兵庫県宍粟市」
第3位にランクインしたのは、「松坂牛」や「近江牛」などの「素牛(肥育牛や繁殖牛として飼養される前の、生後6~12カ月の子牛)」となっている「但馬牛」の血統を受け継いだ純正の黒毛和牛・宍粟牛の産地「兵庫県宍粟市」。
宍粟市への「ふるさと納税」では、1万円の寄付で宍粟牛の「すき焼き・しゃぶしゃぶ用」のモモ(850g)か、ロース(500g)を選ぶことができる。脂の乗ったロースか、あっさりした味わいでロースよりも量が多いモモか。どちらにしても、2000円で高級牛肉が堪能できるのは贅沢な悩みだろう。
【第4位】1万円以上の寄付で「相州牛」800g!
「農林水産大臣賞」を受賞した生産者提供の
重量・味ともに満足度抜群な「神奈川県南足柄市」
第4位の「神奈川県南足柄市」に「ふるさと納税」をするともらえる牛肉は「相州牛」。
南足柄市は東京近郊でありながら、アサヒビールの工場があるほどの良質な地下水が出ることで知られており、その良質な地下水と地元の米、麦のほか、アサヒビールをつくる際に出るビールの搾りかす、豆腐など、飼料にもこだわって育てられた長崎畜産の「相州牛」は、農林水産大臣賞を受賞したこともある地元の名産品。1万円の寄付で相州牛の「すき焼き・焼き肉用」の牛肉800gがもらえる。
【同率4位】5000円以上の寄付で「徳地黒毛和牛」300g!
少額の寄付でも牛肉がもらえて入門者向け!
5000円で地元のブランド牛がもらえる「山口県山口市」
ここまでは1万円以上の寄付が必要な自治体ばかりだったが、「山口県山口市」では5000円以上の寄付で300gの徳地黒毛和牛をもらえるので、寄付金1円あたりの量を考えるとコストパフォーマンスが高いという視点から5位にランクイン。興味はあるが1万円以上は少し手が出しづらいと感じる「ふるさと納税」初心者の入門編としてはちょうどいい自治体ではないだろうか。
「山口市」への寄付でもらえるのは、山間部にある旧徳地町(05年に山口市に合併された)の牧場で丹精込められて育った「徳地黒毛和牛」で、「焼き肉盛り合わせ」用にカットされた状態で届く。
また、山口県山口市では、徳地黒毛和牛以外にも、1万円以上の寄付で「活き車エビ(約230g、6~9尾)」や、栗にも勝る甘さを持つと言われるカボチャ「阿知須くりまさる(1箱10kg)」など、魅力的な特典が用意されている。
ここで改めて、「ふるさと納税」の特典で「牛肉」がもらえるお得な自治体のベスト5をまとめると以下のとおり。
※ マークのものは、自治体がその特産品に関する「ふるさと納税」の受け付けを終了、もしくは一時的に中断しています。
◆2014年度 「ふるさと納税」で牛肉がもらえる自治体のお得度ランキング!(※2014年4月23日時点) |
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順位 | もらえる牛肉の量 | 牛肉の種類、用途 | 備考 | ||
寄付金の使い道 | |||||
1位 | 北海道鷹栖町 | ||||
・1万円→1kg (500g×2パック。モモ、ウデ、バラのうち、いずれか2つ。選択不可) |
鷹栖牛 (夏発送分は焼き肉用、冬発送分はしゃぶしゃぶ・すき焼き用の予定) |
(牛肉のみ。他の特産品は受付中) | |||
【寄付金の使い道】次代のふるさとを担う子どもたちの活動事業/ふるさとの自然や環境を守る活動事業/心豊かなふるさとの人々を育む活動事業/ふるさとを築いた高齢者の福祉活動事業/その他町長が必要と認める事業 | |||||
2位 | 山口県美祢市 | ||||
・1万円→1kg (500g×2パック) |
秋吉台高原牛 (すき焼き用) |
(7/17に一時再開後、再び募集件数に達したので牛肉のみ申込締切。他の特産品は受付中) | |||
【寄付金の使い道】ひとづくり/秋吉台などの美しい自然を守る/市長におまかせする | |||||
3位 | 兵庫県宍粟市 | ||||
・1万円→850g (モモ) ・1万円→500g (ロース) |
宍粟牛 (すき焼き・しゃぶしゃぶ用) |
― | |||
【寄付金の使い道】環境及び景観に関する事業/観光資源の発掘及び利活用に係る事業/教育、文化及びスポーツの振興発展に係る事業/少子化対策及び子育ての支援に係る事業/福祉の増進及び医療の発展に係る事業など | |||||
4位 | 神奈川県南足柄市 | ||||
・1万円→800g |
相州牛 (すき焼き・焼き肉用) |
農林水産大臣賞受賞歴がある長崎牧場から直送 | |||
【寄付金の使い道】安全で安心して健康に暮らせるまちづくり事業/環境と自然に配慮したまちづくり事業/人と文化を育むまちづくり事業/活力とにぎわいに満ちたまちづくり事業/育英奨学事業の資金など | |||||
4位 | 山口県山口市 | ||||
・5000円→300g | 徳地黒毛和牛(焼き肉盛り合わせ) | 冷凍での発送 | |||
【寄付金の使い道】大内文化の薫るまちづくり/山口市発 新しい芸術の創造/詩人 中原中也の世界を全国へ広げよう/育てよう!やまぐち元気キッズ/蛍が飛び交う自然を生かしたまちづくり | |||||
※第6位以降のランキングはコチラ! |
ちなみに第6位以降は同率(いずれも1万円以上で600g)として「高知県いの町」「北海道上士幌町」「島根県飯南町」「山形県天童市」「山形県最上町」「山形県真室川町」と6つの自治体が横並びという結果になった。(第6位以降のランキングはコチラのページを参照)
詳細はこちらのページに掲載したランキング表から確認していただきたいが、注目は山形県の自治体が同率5位に3つも入っているという点。山形県では「山形ディスティネーションキャンペーン」という大型観光キャンペーンを2014年6~9月に控えていることもあり、他県から関心を抱いてもらえる「ふるさと納税」に力を入れている模様。量の面でも上位とは大差ない山形県の自治体にも注目しておこう。
また、同率13位には「1万円の寄付で牛肉500g」がもらえる自治体が9つ、ランクイン。このあたりが「ふるさと納税」の特典として牛肉がもらえる「相場」と言えそうだ。
なお、「ふるさと納税」を実施している自治体は1500以上に上るため、今回の調査でもすべての自治体を調べきるのは難しく、あくまで「ザイ・オンライン編集部調べ」となっている。
もし、この記事を見て「ウチの特典の方がすごいぞ!」という自治体関係者の方や、「こっちのほうがお得だよ」という情報をお持ちの方は、ぜひ下記メールアドレスまで情報をお寄せください。確認の上、追記させていただきます。
◆情報はコチラまで!(zol-furusato@diamond.co.jp)
牛肉がもらえる「お得なふるさと納税」ランキング第1位の
北海道鷹栖町の「ふるさと納税」担当者を直撃!
今回の「お得なふるさと納税ランキング~牛肉編~」で第1位を獲得した北海道の鷹栖町。なぜ、「ふるさと納税」1万円(実質負担額2000円)で、高級食材である地元のブランド牛肉を1kgも大盤振る舞いできるのだろうか。北海道鷹栖町役場企画広報係「ふるさと納税」担当の福森翔太さんにお話を伺った。
「実はもともと『大サービスしよう』という意識はまったくなかったんです(笑)。生産してくれている業者さんがたまたま500gを基準として取り扱いをしていたんですよ。それで他の特産品と価格の調整をしてみたら1kgぐらいはいけるな、ということになりまして。我々もまさか重量の面で全国1位だったとは驚き。光栄ですね!」
同率1位である山口県美祢市は本年度から特典として牛肉の取り扱いを決定したが、北海道鷹栖町は平成24年度から取り扱っており、開始直後から納税者の反応も大きかったという。
「やはり牛肉を特典に加えてから納税件数は何十倍にもアップしました。お申し込み件数は平成25年度で2050件前後です。そのうちの1500件ほどが鷹栖牛に集中していますね。特典の中でもダントツで人気があります。我々としては嬉しい悲鳴なのですが、やはり生産が追いつかない面がありまして、納税者様には平成27年1月以降の発送になるので申し訳なく思っています。ちなみにおすすめの食べ方は『しゃぶしゃぶ』であっさりと食べるのもいいですし、『焼き肉』で豪快に焼いても固くならずに味落ちはしませんので、ご家庭で鷹栖牛を堪能してもらえたらと思います」
鷹栖町では「ふるさと納税」の募集は続けているものの、牛肉は現在募集を停止中。今冬には再開される見通しだが、牛肉以外にも全国的に有名なトマトジュース「オオカミの桃」など、魅力的な名産品が用意されているので、一度ホームページで確認してみよう。
鷹栖牛や秋吉台高原牛など、地方のブランド牛肉などはそう簡単に手に入る食材ではなく、生産者側も全国流通に関しては悩みの種の一つだったかもしれない。このように「ふるさと納税」という制度は決して特典がメインではないが、自治体と納税者の両者ともにメリットが大きいことは一目瞭然だ。
こちらのページには、「ふるさと納税」の特典で牛肉がもらえる自治体の中から30の自治体を選出してランキングを掲載。牛肉の量やブランドにこだわって選んでもいいし、「ふるさと納税」の使い道に共感できる自治体を選ぶこともできる。「ふるさと納税」にチャレンジして、日本各地のおいしい牛肉を堪能してみよう!(第6位以降のランキングはコチラの記事を参照⇒【2014年度版】お得な「ふるさと納税」ランキング~牛肉編~特典に「牛肉」がもらえるコスパ最強の自治体は?)
(取材・文/東賢志、昌谷大介[A4studio])
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