保護者が殺到するグローバル教育
文科省が進めるグローバル教育の流れに、保護者も敏感に反応し始めている。
18年に千代田女学園は共学化し、高校での募集を止めて武蔵野大学附属千代田高等学院に衣替えするが、併設する千代田インターナショナルスクール東京に保護者の関心が集まっている。意外な感じもするが、東京の中心である千代田区にインターナショナルスクールがこれまでなかった。
この新しい学校は国際バカロレア(IB)認定校。これまで東京にはIB校がほとんどなく、京都の立命館宇治や大阪の関西学院千里国際などへわざわざ通わせる動きもあった。この小学校の説明会に保護者が文字通り殺到した。定員50人の会場で5回開催の予定だったものが16回に増やしても常に満員予定というから驚く。学費は年200万円ほどかかる。
三田国際学園も将来的には開設を検討しているようだが、開智日本橋が18年から23区内の私立中では初めてのIB校となりそうだ。
幼児教育で定評のあるアメリカ発のドルトンスクールを40年前から展開する河合塾が、19年開校を目指している中高一貫校も注目される。買収した東京学園の用地を売却した資金で獲得した成城学園駅に近い調布市内に開校するというのだが、ドルトンといえばかつて成城学園がやっていた少人数クラスの英才教育で、かなり高級路線を志向することになりそうだ。
日本の学校でもありイギリスのインディペンデントスクールでもある立教英国学院のような学校へのニーズも高まってきている。小5と中3で女子聖学院や香蘭からおためし留学を受け入れているが、学費は2倍でも人気がある。
また、トップ私大から推薦枠のオファーがあるなど、日本の大学から引っ張りだこな理由は英語で授業を受けられる学生が揃っているからだ。背景には国際化対応のため英語で授業を行う学部学科の新設が進んでおり、それに耐えうる人材が求められていることがありそうだ。
留学では文化学園大学杉並のようにカナダの高校とダブルディプロマが可能だとか、あるいは国際的なコンテストへの出場の常連校なども注目されている。とにかくインターナショナル熱がすごい。